ニックネーム:Mr.Pitiful
タイトルの "R 'n' S & B" は "ROCK 'n' SOUL & BLUES"。 "+ c" は, 最近聴き始めた Country Music 。
2007年04月16日(月)
アメリカン・ルーツ・ミュージック
「アメリカン・ルーツ・ミュージック 楽器と音楽の旅」 奥 和宏 [音楽之友社]

「アメリカン・ルーツ・ミュージック」で検索したらヒットした本。
興味はあったが「在庫切れ」でマーケット・プレイスでは割高になっていたため躊躇していたところ,書店の店頭で見つけて,即買い・・・(^_^)v

『ロックを生んだアメリカ南部』とこの本のおかげで,以前の「疑問」のほとんどが解決したように思う。

「土曜の夜に『罪深い音楽』に浸りながら酔いつぶれるまで飲みつづけて,日曜の朝にはこじんまりとした素朴な雰囲気の教会で魂の救済を願い,『聖なる音楽』を歌う――ハンク・ウィリアムズはこうした矛盾を背負った歌手だった。」(『ロックを生んだアメリカ南部』pp.273-4 )
そういう「矛盾」を持ったシンガーが絶大な人気を得ていたという事実は,聴衆の側にも同じような「矛盾」を抱えた人間が多かったということに他ならない。一部の教会のお偉方は顔をしかめていたかもしれないが・・・(^_^;)

Sam Cooke の場合,聖か俗かという問題よりも,あるグループで非常に大きな存在であった人間が,別のグループに移るということ自体が,問題だったのではないかという気がしてきた。
白人にとっての「教会」と黒人にとっての「教会」の,支配力・影響力の大きさの違いも関係しているはずだが,僕のような不信心者の目からは,「教会」=「聖」であるとは決して思えない・・・(^_^;)

黒人の間でも,聖と俗のそれぞれのグループの底辺において,活発な交流が行われていた例は,枚挙にいとまがない。
そもそも The Five Blind Boys Of Mississippi にしてからが,その最初期には,所属していた私立学校の寄付金を集めるために白人の金持ち相手にポピュラー・ソングを歌っていた The Cotton Blossom Singers と,教会でゴスペルを歌う The Jackson Harmonners という2種類の名前を持って活動していた。


どちらの本も部分的なエピソードについては,僕でも読んだり聴いたりした内容がいくつかあったけれども,まとめて読むと一味も二味も違う。
非常に面白く,ためになる本ではありましたが,おかげで聴きたくなった CD が,また増えてしまった・・・(^_^;)
2007年4月16日 20時47分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2007年04月06日(金)
ロックを生んだアメリカ南部
「ロックを生んだアメリカ南部 ― ルーツ・ミュージックの文化的背景」ジェームス・M. バーダマン / 村田 薫 [日本放送出版協会]

プロローグ すべてはふたりのキングから生まれた
第1章 黒人音楽はエルヴィスの中に焦点を結んだ
第2章 ブルースマンの悲痛な叫び ― ミシシッピー・デルタの混淆から
第3章 都市をゆりかごに生まれたジャズ ― ニューオリンズの坩堝から
第4章 ゴスペル 魂の高揚 ― 信仰と教会、そしてアフリカの匂い
第5章 カントリーの故郷はどこか ― オールドアメリカへの郷愁
エピローグ 都市という荒野で歌うディラン

プロローグ中の「ふたりのキング」は,King of Rock'n'Roll としての Elvis Presley と King of the Blues と言われた B.B. King 。
図書館で見つけて読み始めたら非常に面白く,すぐに購入してしまった本です。
著者は二人ともアメリカ南部の文学や文化が専門で,いわゆる「音楽評論家」ではありません。

表紙カバーの折り返しの文は,以下の通り↓
>  [サザン魂は永遠に眠らない]
> 20世紀の音楽地図を塗りかえたロックには,
> アメリカ南部の民衆音楽と過酷な歴史が深く刻まれている。
> 綿花農園で搾取に耐え働いた黒人の唄ブルース,
> 人種差別と闘った有色クレオールや黒人が生んだジャズ,
> アパラチアの貧困な山人が歌ったバラッド,
> 苦しい日々を慰め,生きる源泉となった宗教音楽・・・
> それら全てがエルヴィスの中で衝撃的に焦点を結んだ。
> 絶望的な環境を,愛に満ちた音楽創造のエネルギーに変え,
> 今なお強烈な磁場をもつ南部音楽の原点に迫る異色の文化論。

こんな風に,ブルース,ジャズ,カントリー,ゴスペルという「異なった」ジャンルの音楽をまとめて扱った本というのは,これまでに無かったのでは・・・?
そして,当たり前のことながら,それぞれのジャンルが決して独立していたわけではなく,互いに関連し影響を及ぼし合いながら,人種の違いも超えて,発達していったということもよくわかる本です。

書名が「ロックを生んだ〜」となっているので,ソウルやブルースのファンには抵抗があるかもしれませんが,どちらのファンにもお勧めできる内容でした。


2007年4月6日 22時01分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2007年04月05日(木)
Hail! Hail! Rock'n'Roll
Chuck Berry "Hail! Hail! Rock'n'Roll" [WPBR 90631/2]

本編チャプター9のリハーサル映像で,Chuck Berry に "Oh,Carol" のイントロを何度もダメ出しされ,キレそうになりながらもグッとこらえる,いつもと違って我慢強いキースの姿は,何度見ても笑える。
結局,似たもの同士の痴話げんか・・・というところか・・・(^_^;)

見所満載のボーナス・ディスクだけれども,驚いたのは,本編のコンサートでただ一人 Chuck Berry から主役の座を奪い取るかのように激しく歌いまくっていた Etta James を,Chuck Berry がコンサートのリハーサルで出会うまで「知らなかった」と言っていたこと。
もちろん,Etta のほうは昔 Chuck のバック・コーラスを務めたことがあり,ピアノの Johnnie Johnson もそれを覚えていたのだが,Chuck Berry 本人はすっかり忘れてしまっていたそうだ。
コンサートのゲストに Etta James を呼んだのはキースで,彼女のことを「知らなかった」Chuck Berry は,リハーサルを終えるまで大反対だったらしい。
ボーナス・ディスクには,リハーサルで "Hoochie Coochie Girl" を歌っている様子が収められている。

最近は,体調が悪いのではないかと心配するくらい激ヤセしてスレンダーになっている Etta James ですが,この当時のケツ(下品な表現ですが,こう呼ぶしかない代物であることは映像を見れば一目瞭然。小錦以上?)は,非常に見事であります。
そのケツと童顔とのアンバランスが,マニアにはたまらないのでは・・・(^_^;)

http://www.amazon.co.jp/dp/B000MGBPVK/

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2508006
2007年4月5日 22時42分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
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2007年04月01日(日)
Five Blind Boys Of Mississippi
The Five Blind Boys Of Mississippi "20th Century Masters: The Millennium Collection" [MCA 088 112 867-2]

1. Our Father (Which Art In Heaven)
2. Precious Memories
3. Song Of Praise
4. There's No Need To Cry
5. Somewhere Listening For My Name
6. Old Ship Of Zion
7. Save A Seat For Me
8. Lord, Lord You've Been So Good To Me 9. Oh Why 10. Sending Up My Timber 11. Speak Gently To Your Mother 12. His Eyes Is On The Sparrow

Archie Brownlee 師がジャケットに写っている CD は,それでも結構リリースされているが,Archie Brownlee 師のいない '60 年代の Five Blind Boys Of Mississippi による録音がほとんどというアルバムが多い。中には,ジャケ写は Mississippi なのに中身は Alabama という詐欺まがいの CD まである。
そんな中で,曲数は少ないけれども値段が手頃で最も入手しやすいと思われるのが,この "20th Century Masters: The Millennium Collection" のシリーズとして発売されている CD 。音質も良くて,聴きやすい。

1.〜 7. までが Archie Brownlee 師を含む録音。録音年とシングル No. など基本的なデータが明記されているのもありがたい。
4. と 7. が,今回の Acrobat 盤 には収録されていない 1956 年の録音。"There's No Need To Cry" は,Vee Jay でも録音されていて,歌詞にちょっと手を加えるとすぐにソウルとして通用しそうなスィートな曲で,お気に入り。


◎ "The Best of the Blind Boys" [MCA MCAD-22047]
 ジャケットに4人しか写っていないためか,Five 抜きの Blind Boys の作品として,CD 化されている。
録音年などのクレジットは無いが,8. Certainly Lord と 10. Leaning on the Everlasting Arms で,Archie Brownlee 師の声を聴くことができる。

◎ "More Of Their Best" [Universal B0005877-02]
 これにも,録音年などのクレジットは無いが,5. Walk Together Children と 6. Song of Praise が,'50 年代の録音。

● "You Done What The Doctor Couldn't Do" [Gospel Jubilee RBD 1402]
この CD を,専門店でも何でもない新星堂で見つけたときは,狂喜乱舞したものだった。
残念ながら現在では入手が難しそうだが,全18曲のうち Acrobat 盤に収録されていないのは,5曲のみ。

● "MCA gems: Blind Boys Of Mississippi 1950 - 1974" [MCA MVCE-24513]
 中村とうよう氏入魂の編集による日本盤。
1.〜 16. が Archie Brownlee 師在籍時の録音で,12. 以降が Acrobat 盤に収録されていない曲。

● "Something To Shout About"
 4月30日発売予定の編集盤。さて,何曲で Archie Brownlee 師の声が聴けるだろうか?
↓ "Precious Memories" と "Father I Stretch My Hands to Thee" のアルバムを2on1にした CD ・・・?
http://www.cherryred.co.uk/rpm/artists/fiveblindboysofmississippi.htm


単独アルバムではなくオムニバス盤だが,Mississippi の曲が複数収録されている CD もある。
◎ "Kings Of The Gospel Highway: The Golden Age of Gospel Quartets" [Spirit Feel Shanachie 6039]
↑ とかなりの曲が重複してしまうが,↓ のような CD もリリースされていた。
◎ "Father and Sons" [Spirit Feel 1001]
2007年4月1日 12時01分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(1) |
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