ニックネーム:Mr.Pitiful
タイトルの "R 'n' S & B" は "ROCK 'n' SOUL & BLUES"。 "+ c" は, 最近聴き始めた Country Music 。
2009年12月30日(水)
Roy Hamilton "Dark End Of The Street"
Roy Hamilton "Dark End Of The Street 1963-69: The Operatic Soul Of Roy Hamilton" [Raven RVCD-294]

1. Let Go [1963, MGM 1313]
2. Midnight Town -- Daybreak City [1963, MGM 13157]
3. The Sinner (El Pecador) [1963, MGM 13175]
4. The Same One [1963, MGM LP 4139]
5. For Your Precious Love [1963, MGM LP 4139]
6. Crying in the Chapel [1963, MGM LP 4139]
7. The Panic Is On [1964, MGM 13217]
8. Answer Me, My Love [1964, MGM 13247]
9. Gloomy Sunday [1964, MGM LP 4233]
10. Don't Worry About Me [1964, MGM LP 4233]
11. Heartache (Hurry on By) [1965, RCA Victor 47 - 8641]
12. Tore Up Over You [1965, RCA Victor 47 - 8705]
13. The Impossible Dream [1966, RCA Victor 47 - 8813]
14. God Bless the Child [1965, LSP 3532]
15. Reach Out for Me [1965, LSP 3532]
16. You'll Never Walk Alone [1965, LSP 3532]
17. Let the Music Play [1965, Previously unreleased]
18. Crackin' Up Over You [1966, RCA Victor 47 - 8960]
19. I Taught Her Everything She Knows [1967, RCA Victor 47 - 9061]
20. Lament [1967, RCA Victor 47 - 9061]
21. You Shook Me Up [1967, RCA Victor 47 - 9171]
22. Wait Until Dark [1967, Capitol 2057]
23. My Peaceful Forest [from "Bill Haney's Atlanta Soul Brotherhood" [KENT CDKEND 159] -1998]
24. The Dark End of the Street [1969, AGP 113]
25. 100 Years [1969, AGP 113]
26. Angelica [1969, AGP 116]
27. Hang-Ups [1969, AGP 116]
28. It's Only Make Believe [1969, AGP 125]

Roy Hamilton のキャリアの後半に録音された曲を集めたアルバム。表題の CD のサブタイトルになっている Operatic Soul という言葉が,彼の歌声を上手く表現している。この CD だけでしか聴けない曲があるけれども,盤起こしの曲も一部含まれているのは残念。

Chips Moman と Tommy Cogbill がプロデュースした 'The Dark End of the Street' について James Carr は,Roy Hamilton's version is almost as good as mine. と言っていたそうだ。そのアメリカン・スタジオでの録音は,Elvis Presley と同時期に行われており,Elvis は,自分が録音する予定だった 'Angelica'(Barry Mann/Cynthia Weil 作で,Gene Pitney がオリジナル) を,自身のヒーローだった Roy Hamilton に提供している。

この時代にはヒット曲は生まれていないが,これより前の Epic に所属していたとき 'Unchained Melody'(1955, R&B Singles: 1, Hot 100: 6) などのヒット曲がある。
ROY HAMILTON - UNCHAINED MELODY/YOU'LL NEVER WLK ALONE @ Youtube

全体的にポップよりの曲が多いため,ピュアなソウル・ファンからはほとんど無視されていて『U.S. ブラック・ディスク・ガイド』にも掲載されていないが,Sam Cooke 以前に黒人と白人のマーケットをクロスオーバーすることのできた,重要なシンガーの一人。
Solomon Burke や Jackie Wilson も大きな影響を受けており,Sam Cooke はポップに転向後いっしょにツアーを回ったことがある。

また,この Roy Hamilton のマネージャーだった Bill Cook (Sam との縁戚関係無し) は,Sam Cooke がゴスペルからポップに転向する際のお膳立てをした人物でもある。

DJ だった Bill Cook が Roy Hamilton をスカウトし,売り出すまでの経緯は,↓ (pp. 105-7) に詳しく書かれている。
□ ネルソン ジョージ 『リズム&ブルースの死』 (林田 ひめじ 訳,早川書房 刊)


Epic 時代には,Sam Cooke の曲をカバーしたことがある。
◎ "Soft 'n' Warm / Mr. Rock And Soul" [Collectables COL-CD-7516] -2002
20. I'll Come Running Back to You
 1962年のアルバム "Mr. Rock And Soul" の収録曲。
2009年12月30日 21時46分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2009年12月28日(月)
Bobby "Blue" Bland "The 3B Blues Boy"
Bobby "Blue" Bland "The 3B Blues Boy - The Blues Years 1952 - 1959" [MCA/ace CDCHD 302]

Bobby Bland の Duke 時代の初期作品集(1991)。この時代はほとんどがシングルのみで LP としてのリリースは "Two Steps From The Blues" [1961, DLP 74] まで無い。Duke 時代の作品リスト → BBonDuke.xls

なぜか1枚目(1952) の Duke 105 'I.O.U. Blues'/'Lovin' Blues' は収録されていないが,2枚目(1953) の Duke 115 'No Blow, No Show'/'Army Blues' から 13枚目(1959) の Duke 303 'Wishing Well'/'I'm Not Ashamed' まで(一部は片面のみ) と,当時シングルとしては発表されなかった曲も含まれている。

Modern や Chess でシングルをリリースした後,Duke と契約し,The Beale Streeters(Johnny Ace, B.B.King, Earl Forest など) をバックにシングルを1枚リリースするのとほぼ同時に兵役に召集され,2枚目のシングル用のセッションは休暇中に行われた。この兵役の期間中,北海道に駐留していたことがあり,その時に「りんご追分」(美空ひばり) を覚えたらしい。
1955年に兵役から戻った後,シングル3枚目(Duke 141) が録音され,その 'It's My Life Baby' から,Bobby Bland のバックにギターが欠かせなくなってくる。最初のギタリストは Roy Gaines で,次に Clarence Holliman,Auburn "Pat" Hare('Further Up The Road') と続き,Pat Hare が殺人罪で刑務所に入ってから(獄中で死亡) は,Wayne Bennette がギターを担当することになる。

この CD の収録曲はもちろん,未入手の ↓ に全て収録されている。
○ "I Pity the Fool: The DUKE Recordings, Vol. 1 (2 CDs)" [DUKE/MCA ]
↑ には "Two Steps From The Blues"[DLP 74] の収録曲も含まれているので,あと残っているのは9曲だけ。それでも,やっぱり欲しい・・・。それも,Vol. 2 や Vol. 3 と同じくらいの値段で・・・(^_^;)
● "Turn on Your Love Light: The DUKE Recordings, Vol. 2 (2 CDs)" [DUKE/MCA MCAD2-10957]
● "That Did It!: The DUKE Recordings, Vol. 3 (2 CDs)" [DUKE/MCA MCAD2-11444]


表題の CD に収録されていない Duke でのデビュー・シングルは,↓ でも CD 化されている。
◎ Bobby Bland / Little Junior Parker "The Earls of Duke" [Duke/Rev-Ola CR BAND 15] -2007
2009年12月28日 21時25分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2009年12月24日(木)
Christmas with Ronnie Milsap
Ronnie Milsap "Christmas with Ronnie Milsap" [BMG 75517481992]

1. Noel Prelude 2. Only One Night of the Year 3. I'll Be Home for Christmas 4. Christmas Medley: Carol of the Bells/O Come, O Come, Emmanuel / Silent Night / Joy To The World 5. It's Christmas 6. It's Just Not Christmas (If I Can't Spend It With You) 7. Silver Bells 8. O Holy Night 9. Christmas Thoughts (Narrative) 10. We're Here to Love

Ronnie Milsap のクリスマス・アルバム(1986)。
彼の声には,シンプルな「力強さ」と「やさしさ」があふれている。
今年の新作 "Then Sings My Soul (2 CDs)" もゴスペル的な内容の曲を多く含む作品集だったので,クリスマスという時期にふさわしいアルバムと言える。
彼の歌を聴いていると,本当に心が洗われるような気持ちになってくるから不思議だ。Bob Dylan の,品の無いダミ声に比べると,大違い・・・(^_^;)
◎ Bob Dylan "Christmas In The Heart" [Sony SICP 2477]
 要するに,「一度サンタクロースになってみたかった」というのが,このアルバムを作った Dylan の真意のような気がする。1曲目が 'Here Comes Santa Claus' で,アルバムの収益は慈善団体に寄付されるそうだ。個人的には,「サンタクロース」というより「鼠小僧」のイメージに近い・・・(^_^;) 来年の来日が決定したそうだが・・・。

○ Ronnie Milsap "Souvenirs" [Fuel 2000 ]
最近リリースされている ↑ は,Huey P.Meaux がプロデュースした作品集で,↓ と同じ内容。
● Ronnie Milsap "The Crazy Cajun Recordings" [Edsel NESTCD 909] -1998

● Ronnie Milsap "Ronnie Milsap" [Warner Bros./Collectables COL-CD-7709] -2006
Dan Penn がプロデュースした彼のデビュー・アルバムも,なぜか今年になって日本語解説付きのものが発売されている。ペラペラの紙切れ1枚を加えただけで輸入盤より数百円高い値段で流通させる・・・という商売にはあまり感心できないが,内容そのものが素晴らしいことは,言うまでもない。
2009年12月24日 19時17分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2009年12月22日(火)
Aaron Neville Gospel
Aaron Neville "Aaron Neville Gospel: Live at the 2009 New Orleans Jazz & Heritage Festival" [Buffalo MM-09AN]

1. Stand By Me 2. Bridge Over Troubled Waters 3. If I Had A Hammer 4. Jesus Loves Me 5. Oh, Mary Don't You Weep 6. Morning Has Broken 7. To Make Me Who I Am 8. Charles Song
9. A Change Is Gonna Come
10. Our Father Who Art In Heaven 11. Ave Maria 12. I Saw The Light 13. Amazing Grace 14. When The Saints Go Marching In

今年の New Orleans Jazz & Heritage Festival でのパフォーマンスをライブ録音したもの。公式盤だが,CD-R のみのリリース。アマゾンでは扱われていないが,タワレコにはあった。
Aaron Neville Gospel / Live at Jazz Fest 2009

聴いていて耳障りというほどではないが,ミキシングが不十分なためか全体のバランスがさほど良いとは言えず,Neville Bros. としての CD-R もあるけれども,ちょっと手が出ない。Art Neville 抜きの The Meters → The Meter Man などというアルバムまであるが・・・。
ただ,ボーカルはかなりオン気味に録音されているので,Aaron Neville の声だけ聞ければそれで良い・・・というマニアにとっては,たまらないかも・・・(^_^;)

Aaron Neville が公式にリリースした 'A Change Is Gonna Come' のカバーとしては初めてのライブ録音。このイントロは,ドラムかキーボードがとちっているような・・・?
間奏で Charles Neville のサックスに続いてギターを演奏しているのは Makuni Fukuda という日本人。'A Change Is Gonna Come' の間奏における日本人のソロとしては,↓ での梅津和時が印象に残っているが・・・。
● Mighty Sam "Live In Japan featuring Wayne Bennett" [Orleans 9888] -1988


● Neville Brothers, The "Yellow Moon" [A&M 395 240-2]
● Aaron Neville "Believe" [tell it EGD 0288]
● Aaron Neville "Bring It On Home...The Soul Classics" [Burgundy 82876 85489 2]
3種類ある Aaron Neville の 'A Change Is Gonna Come' のスタジオ録音の中では,やはり Neville Brothers "Yellow Moon" に収録されたバージョンが最も素晴らしく,アルバムとしての完成度も高い。
2009年12月22日 20時52分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2009年12月21日(月)
Bettye LaVette "Change Is Gonna Come"
Bettye LaVette "Change Is Gonna Come sessions" [Anti ]

1. A Change is Gonna Come (Sam Cooke)
2. 'Round Midnight (Thelonious Monk)
3. God Bless the Child (Billie Holiday/Arthur Herzog)
4. Lush Life (Billy Strayhorn)
5. Ain't No Sunshine (Bill Withers)
6. Ain't That Lovin' You (Jimmy Reed)

Bettye LaVette が今年リリースした6曲入りの EP 。
日アマゾンには登録されておらず,米アマゾンから CD-R で購入。iTunes などデジタルなファイルでも流通しているようだ。
彼女の Myspace で試聴することができる。
http://www.myspace.com/bettyelavette
↑ では,昔カバーした Neil Young 'Heart Of Gold' の2009年バージョンも聴ける。

http://www.bettyelavette.com/index.html
この EP の内容などについては,彼女自身のサイト ↑ に説明があり,そのサイトからのリンクでは「利用規約に違反している・・・」として視聴できない,オバマ大統領の就任祝賀会で Bon Jovi とデュエットした 'A Change Is Gonna Come' は,↓ で。
Obama Pre Inaugural with Bon Jovi & Bettye LaVette with intro by Jamie Foxx @ Youtube
'A Change has come.' は間違いないとしても,さて,Another change がやってくるかどうかは・・・?

彼女のサイトには,Paul McCartney と共演しているムービーや,the Kennedy Center Honors で The Who の曲を歌っているムービーなどもリンクされている。

○ Bettye Lavette "Do Your Duty" [Sundazed ]
そのサイト内には,↑ のアルバムへのリンクもあるが,同じ時代の作品集で,2曲多く収録されている ↓ のような CD もある。
● "Take Another Little Piece Of My Heart" [Varese Sarabande 302 066 708 2] -2006
 今年亡くなった Jim Dickinson がリーダーだった The Dixie Flyers による演奏で,Memphis 録音(1969-70)。
この後,Muscle Shoals で録音(1972) した楽曲は,当時お蔵入りになっていたが,既に CD 化されている。
● "Souvenirs" [Art & Soul 851012] -2000
↑ に Mono Single Version などが4曲追加された CD ↓ もある。
◎ "Child Of The Seventies" [Atco/Rhino Handmade RHM2 7899] -2006

その後,Motown でアルバムを1枚リリース(1982) したりするものの不遇の時代が続き,本格的にブレイクするのは,Anti- レーベルと契約して,まず Joe Henry のプロデュースによる ↓ をリリースし,
● "I've Got My Own Hell to Raise" [Anti 86772-2] -2005
次に,David Hood の息子 Patterson Hood のプロデュース作 ↓ がグラミーにノミネートされてから・・・。
● "The Scene Of The Crime" [Anti 86873-2] -2007

今年,50周年記念アルバムをリリースした Irma Thomas と並んで,ベテランの女性ソウル・シンガーの中では,最も充実した活動をしていると言えるのではないか ?
2009年12月21日 20時03分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2009年12月15日(火)
R.B. Greaves
R.B. Greaves "R.B. Greaves" [ATLANTIC AMCY-2930]

1. Always Something There to Remind Me
2. Don't Play That Song (You Lied)
3. Take a Letter Maria
4. Cupid
5. This Is Soul
6. Ballad of Leroy
7. Ain't That Good News
8. Birmingham, Alabama
9. Home to Stay
10. Oh When I Was a Boy

今月号(2009/12) の『レコ・コレ』に掲載されていた David Hood のインタビューによると,Rolling Stones が Muscle Shoals Sound Studio で夜にセッションをしていたころ,昼間レコーディングしていたのが,この R.B. Greaves だったそうだ。
ヒットした "Take a Letter Maria"(R&B Singles: 10, Hot 100: 2) は8月の録音なので,それ以外の曲ということになるが・・・。

R.B. Greaves -Take A Letter Maria @ Youtube
Eddie Hinton がリード・ギターの Muscle Shoals Rhythm Section (Roger Hawkins, Jimmy Johnson, David Hood, Barry Beckett) による演奏。印象的なトランペットにクレジットされている Mel Lastie は,Melvin Lastie と同一人物 ?
Melvin Lastie なら,Sam Cooke "Ain't That Good News" のセッションにも参加しているが・・・?
Sam Cooke の甥らしく,2曲もカバーしている。どちらも少々ひねったアレンジで演奏されていて,なかなかおもしろい。

'Take A Letter Maria' は,Jerry Wexler にそそのかされて Fame から独立したものの,製作した曲がたいして売れずに苦しんでいた Muscle Shoals Sound Studio を救った最初のヒット。
その曲が R&B チャートより POP チャートでヒットしているように,ソウル・ファンよりもポップ・ファン向けのサウンドの曲が多く,B.J. Thomas や Neil Diamond あたりの Memphis 録音が好きな人にお勧めしたいアルバム。
ただし,"This Is Soul" という曲は,タイトルの通りソウル色が強く,MG's をかなり意識した演奏になっている。
その曲も含めて自作曲(3. 5. 6. 9. 10.) の出来もなかなかなのだが,この後 Atlantic を離れてからはマイナー・レーベルを渡り歩き,いつのまにか消えてしまった。

もう1枚,CD 化されたアルバムがあるのだけれども,未入手。
AMG で調べると,かなり豪華なミュージシャンが参加しているようだが,試聴する限りは微妙・・・(^_^;)
○ R.B. Greaves "R.B. Greaves" [Acrobat ]
2009年12月15日 21時59分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
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2009年12月11日(金)
Kings Of The Gospel Highway
Various Artists "Kings Of The Gospel Highway: The Golden Age of Gospel Quartets" [Spirit Feel Shanachie 6039]

R.H. Harris and the Soul Stirrers
1. Walk Around 2. Sleep On, Mother 3. I Want to Rest 4. I'm Willing to Run 5. I'm a Soldier 6. Does Jesus Care?
Kylo Turner and the Pilgrim Travelers
7. Dear Lord Look Down Upon Me 8. Go Ahead 9. I Wonder Will We Meet Again? 10. Lord, Hold My Hand
Claude Jeter and the Swan Silvertones
11. Lord, I've Tried 12. Working on a Building 13. Old Acount 14. All Aboard
Silas Steele and the Spirit of Memphis
15. Jesus, Jesus 16. Sign of the Judgment 17. Tell Heaven 18. Jesus Brought Me
Archie Brownlee and the Five Blind Boys of Mississippi
19. I Was Praying 20. Lord Will Make a Way 21. Will Jesus Be Waiting 22. Someone Watches over Me
Julius Cheeks and the Sensational Nightingales
23. God's Word Will Never Pass Away 24. Lord Have Mercy 25. I'm Coming Up Lord 26. Somewhere to Lay My Head

今日は,Sam Cooke の命日。
やはり,毎年 同じようなネタ では芸が無いので,今年は Sam Cooke に大きな影響を与えたゴスペル界の先達や同輩のグループの曲を集めたコンピ盤のご紹介。

The Soul Stirrers の前代のリードだった R.H. Harris,Sam Cooke を泣かせることのできた Archie Brownlee,Sam Cooke にシャウトすることを教えた Julius Cheeks など,偉大なシンガーの在籍したゴスペル・カルテットの曲が集められているアルバム。
これを聴いていると,確かに Sam Cooke の存在は偉大だったが,Sam Cooke というシンガーが突然この世に現れたわけではなく,彼以前にも,その道筋・土台・基礎を作った素晴らしいシンガーたちがいたことを実感できる。
Pilgrim Travelers には,後に Sam Cooke の強力なビジネス・パートナーとなる J.W. Alexander も在籍していた。

手元にあるのは,『黄金時代の名門ゴスペル・カルテット』と題され,日本語解説(佐々木秀俊) を付けてリリースされた P-Vine 盤(PCD-16007)。
その解説に,「・・・何よりも唄そのものが雄弁に語ってくれるこの CD で,私のような者はあえて語る何物をも持ってはいない。」と書いておられるほどなので,なおさら,ぼくごときがくどくどと書くのは畏れ多い・・・m(_ _)m
この CD の編者である Anthony Heilbut の名著 ↓ をじっくりと読みながら,しみじみと味わっていただきたい。
◇ アンソニー ヘイルバット 『ゴスペル・サウンド』 [中河伸俊・山田裕康・ 三木草子 共訳,ブルースインターアクションズ 刊]


● Sensational Nightingales, The "The Best Of The Sensational Nightingales" [MCA MCAD-22044] -1973
Wilson Pickett を初めとして全てのソウル・シャウターの原型となった Julius Cheeks 師在籍時の Sensational Nightingales の数少ない単独アルバム ↑ は,ぼくがネット・ショップで購入した,記念すべき最初の CD だった。今では何の抵抗も無いが,初めてクレジット・カードの数字を入力して購入ボタンをクリックするときは,非常に緊張した・・・(^_^;)

曲数が少なく重複する曲もあるが,同じような内容の CD もリリースされていた。
◎ "Father and Sons" [Spirit Feel 1001] -1990
2009年12月11日 20時53分 | 記事へ | コメント(1) | トラックバック(0) |
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2009年12月09日(水)
"Tribute to Otis Redding"
Various Artists "Guitar Workshop - Tribute to Otis Redding" [invitation VDR-1659]

1. I Can't Turn You Loose - Steve Lukather
2. (Sittin' On) The Dock of the Bay - Steve Cropper
3. These Arms of Mind - Phil Upchurch
4. Respect - Dean Parks
5. I've Been Loving You Too Long - Jay Graydon
6. Good to Me - Arthur Adams
7. Let Me Come on Home - Charles "Icarus" Johnson
8. Tribute to a King - Steve Lukather & David T.Walker

明12月10日は,Otis Redding の命日。
毎年 同じネタ では芸が無いので・・・

表題の CD は,Otis へのトリビュート・アルバムだが,シンガーではなくギタリストによるもの。インスト・ナンバーばかりのためカラオケとしての利用を考える人がいるかもしれないが,御覧の通りのメンバーがギターを弾きまくっていて,とてもじゃないがカラオケには使えない・・・(^_^;)

Booker T.Jones(Hammond B-3, Synthesizer), Jerry Peters (Accostic Piano, Synthesizer), David T. Walker (Guitar) の3人は全曲でプレイしており,Booker T.Jones と David T.Walker はプロデューサ・アレンジャーとしてもクレジットされている。特に David T. Walker は,8. 以外でもかなり目立っていて,彼のソロ・アルバムにその他のギタリストがゲスト参加しているような印象すらある。

ドラムとベースのリズム・セクションは4組で,それぞれ2曲ずつ担当している。
Jeff Porcaro + Abraham Laboriel(1. 8.), John Robinson + Scott Edwards(2. 5.), James Gadson + James Jemerson Jr.(4. 7.), Nate Neblett + Kevin Brandon(3. 6.)

ラストの 'Tribute to a King' だけ Otis の曲ではなく,Otis が亡くなった後,Stax では先輩格だった William Bell が Booker T. と共作して歌った曲。
Otis が Stax に録音するきっかけを作った Johnny Jenkins のバージョンもある。
◎ Johnny Jenkins "All in Good Time" [Mean Old World ] -2000


全体的に Otis Redding の命日にしんみりと聴くには騒々しすぎるサウンドだが,ギター好き・・・特に David T.Walker のファンには必聴のアルバムとしておすすめできる。
2009年12月9日 20時13分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
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2009年12月04日(金)
Bobby Bland "Turn on Your Love Light"
Bobby Bland "Turn on Your Love Light: The DUKE Recordings, Vol. 2 (2 CDs)" [DUKE/MCA MCAD2-10957]

久しぶりの掘り出し物 (^_^)v
このブツを発見し,有り得ないだろうがひょっとして \3,000 くらいなら・・・と考えながら値段を見ると,¥1,680 \(^o^)/
思わず ゥオッ と声を出しかけたが必死でこらえ,笑いをかみ殺しながらレジに向かったけれども,店を出てからは声こそ出さなかったものの笑いがこらえきれず,よほどにやけていたのか行き交う人の視線が突き刺さる・・・(^_^;)
そんな「視線」が全く気にならなかった理由は,日アマゾンで扱われている中古商品の価格を見ていただければ,納得していただけるはず。
最近 Reel というレーベルからリリースされた,ボートラの付いていない LP 1枚分をストレート・リイシューした CD の値段と大差ない。
○ "Call on Me/That's the Way Love Is" [Reel ]


Bobby "Blue" Bland の Duke 時代のコンプリート集の Vol.2 。
Bobby Bland は,『楽 SOUL』 (p.359) でも 「ブルースはダメというソウル・ファンにも Bobby Bland とこの人(Little Johnny Taylor) ぐらいは聴いておいてもらいたい。」 と,言及されているブルースの巨人。
この CD が廃盤になっていてプレミアが付いているというのは,ほとんど犯罪行為のように思える。
ただ,米アマゾンでは MP3 でも販売されてしまっているので,CD としてリイシューされるのは望み薄かもしれない。

● "That Did It!: The DUKE Recordings, Vol. 3 (2 CDs)" [DUKE/MCA MCAD2-11444] -1996
↑ 3 から 2 をゲットするまで約1年9ヶ月かかっているので,このペースで行くと,次に 1 に出会うことができるのは再来年になってしまう・・・(T_T)

円高が続いているうちに,この際,注文してしまうべきだろうか・・・?
● "I Pity the Fool: The DUKE Recordings, Vol. 1"
2009年12月4日 20時18分 | 記事へ | コメント(6) | トラックバック(0) |
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2009年12月01日(火)
"The Singles + Open Door Policy"
The Soul Children "The Singles + Open Door Policy" [Stax/Fantasy CDSXD 101]

1. Don't take my kindness for weakness
2. It ain't always what you do (it's who you let see you do it)
3. Hold on I'm comin'
4. Make it good
5. Ridin' on love's merry go round
6. Love is a hurtin' thing
7. Poem on the school house door
8. Come back kind of love
9. Signed sealed delivered (I'm yours)
10. I don't know what this world is coming to
11. Hearsay
12. Stir up the boogie Part II 13. Who you used to be 14. Strangers 15. Summer in the shade 16. Can't give up a good thing 17. Butt la rose 18. Hard living with a man 19. Believing

Stax 時代の Soul Children のシングル集(1.〜 11.) と 当時の未発表曲集ではなくて, 1978年に EPIC から STAX に里帰りした際の新録?(12.〜 19.) を2on1にした CD 。
シングル集は覚えていないが,後半の "Open Door Policy" はアナログ盤で持っていたような記憶がある。

シングル集については,『楽 SOUL』 の 「ソウルはシングル盤を聴かなきゃお話にならない」 という命題そのままの内容。
ただし,「ソウルはシングル盤としてリリースされた曲を聴かなきゃお話にならない」 と修正する必要があるのでは・・・(^_^;)
もちろん,アナログ盤には独特の質感があることを否定するつもりはないが・・・。
10. 11. は,Wattstax でのライブ録音。Soul Children としての公式のライブ録音は,これだけ ?

"Open Door Policy" の収録曲は,さすがに未発表だっただけあって中途半端な印象の曲が多いが,Soul Children のファンなら,聴いておいて損はないはず。

この時代の「サザン・ソウル」には,まだ「夢」と「希望」があふれていたような気がする。
2009年12月1日 20時49分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
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2009年11月30日(月)
J. Blackfoot "Woof Woof Meow"
J. Blackfoot "Woof Woof Meow" [JEA/Uptown JEA 25]

1. Meow 2. Stay out of My Lane 3. Mr. Bus Driver 4. Keep Your Phone Turned On 5. Dirty Woman 6. Lovers and Friends 7. No Ordinary Pussy Cat 8. More Than a Woman 9. Meow [Pussy Cat Remix] 10. Stealing Love 11. Lil House, Big Party

28日の朝に注文した商品が29日の夕方に届いた。堺に倉庫ができたからだろうか? 便利な世の中になったもんです。
ぼくが注文した時点では2枚くらいは在庫があったはずだが・・・。

8. と 11. は,Soul Children の再結成アルバムに収録されていたものと同じバージョン・・・?
◎ The Soul Children "Still Standing " [JEA Right Now JEA 0020] -2008
2. Lil House, Big Party 6. More Than a Woman

バックのミュージシャンも一部共通しているが,ソロ作の方がライブ感は強く,リズムに粘りがあるように聴こえる。シンガーの人数が減った分,バックにお金をかけた・・・? 電話のベルなどの効果音はちょっと耳障りだが・・・(^_^;)
J.Blackfoot のボーカルも "Still Standing" より迫力があるように聴こえるのは,Soul Children ではグループ全体のバランスを考えて少し押さえ気味に歌っていたのだろうか?

col さん コメントをいただき,試聴してみると良さそうだったので注文したのだけれども,このジャケ写は,店頭で見かけていたら敬遠していたにちがいない。
『ウー,ウー,ニャーオ』という,犬のうなり声と猫の鳴き声をタイトルにしたのも,趣味が良いとは思えないが・・・(^_^;)
2009年11月30日 19時35分 | 記事へ | コメント(4) | トラックバック(0) |
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2009年11月29日(日)
Norah Jones "The Fall"
Norah Jones "The Fall (+1)" [EMI TOCP-70830]

Norah Jones の新作。14. は日本盤のみのボーナス・トラック。輸入盤にはボーナス・ディスク(ライブ録音6曲) が付いたセットもあるらしい。

この新作を紹介する記事に Norah が髪の毛を切った写真が掲載されていて,それを見ただけで購入する気になった。ショートカット・フェチ( Laura Lee森和代 ) なんです・・・(^_^;)

最初のシングルとしてリリースされた 'Chasing Pirates' は,一昔前のテクノ・ポップ風? 連想したのは,Tina Weymouth がボーカルの Talking Heads 。
ノラ・ジョーンズ「チェイシング・パイレーツ」PV @ Youtube

三十路に入って,髪の毛を切り化粧の仕方も変え,バンドのメンバーも一新してバックのサウンドは大きく変化しているが,Norah 本人の声や歌い方はたいして変わっていないようだ。

本当に変わりたいのなら,この際一度,羽目を外してシャウトしまくるような歌い方に挑戦してみてはどうか? 従来からのファンは離れてしまうかもしれないが・・・(^_^;)
2009年11月29日 10時45分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
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2009年11月26日(木)
Harry Connick, Jr. "Your Songs"
Harry Connick, Jr. "Your Songs (+3)" [Sony SICP 2428]

1. All The Way - Frank Sinatra (1958, Hot 100: 2)
2. Just The Way You Are 「素顔のままで」 - Billy Joel (1978, Hot 100: 3)
3. Can't Help Falling In Love With You 「好きにならずにいられない」 - Elvis Presley (1962, Hot 100: 2)
4. And I Love Her - The Beatles (1964, Hot 100: 12)
5. (They Long To Be) Close To You 「遥かなる影」 - The Carpenters (1970, Hot 100: 1)
6. Besame Mucho (1941)
7. The Way You Look Tonight 「今宵の君は」 - Fred Astaire (1936)
8. First Time Ever I Saw Your Face 「愛は面影の中に」 - Roberta Flack (R&B Singles: 4, Hot 100: 1)
9. Your Song 「僕の歌は君の歌」 - Elton John (1971, Hot 100: 8)
10. Some Enchanted Evening 「魅惑の宵」 (1958)
11. And I Love You So - Perry Como (1973, Hot 100: 29)
12. Who Can I Turn To (When Nobody Needs Me) - Tony Bennett (1965, Hot 100: 33)
13. Smile - Charlie Chaplin (1936)
14. Mona Lisa - Nat King Cole (1950)
15. Killing Me Softly with His Song 「やさしく歌って」 - Roberta Flack (1973, R&B Singles: 2, Hot 100: 1)
16. Who's Sorry Now - Connie Francis (1958, R&B Singles: 4, HOt 100: 4)
17. Answer Me My Love - Nat King Cole (1954)

Harry Connick, Jr. の新作。一昨年の "Oh, My Nola" は愛聴していて,ボートラ付きの日本盤まで買ってしまったが,昨年のクリスマス・アルバム(彼にとっては3枚目) はスルーし,今年の新作もどうするかかなり迷ったのだが・・・。
御覧の通りの選曲で,邦題は『恋人たちのラブソング』・・・(^_^;)
15.〜 17. は日本盤のみのボーナス・トラック。本人のサイトでは DVD 付きのセットも販売されている。
http://harryconnickjr.skyroo.com/se/view/music/index.html

このアルバムを Harry Connick, Jr. 本人と共同でプロデュースしているのは,Clive Davis 。 Rod Stewart の "Great American Songbook" シリーズの仕掛け人だった,この業界の大物。いつものようにアレンジやオーケストラの指揮などは全て Harry 自身が行っているが,選曲も含めて,Clive Davis の細々としたアドバイスがかなり反映されているらしい。

成り上がりで成金趣味丸出しのロッドと比較すると,Harry の方は正真正銘生まれ着いてのセレブなので,ロッドの "Great American Songbook" のように浮ついた居心地の悪さのようなものは全くなく,聴いていると妙に落ち着いた安心感が湧いてくる。なにしろ Harry Connick, Jr. は,欠点の無いのが欠点・・・というような,非の打ち所の無い人間。

ロッドの新作 "Soulbook" に比べると,聴く回数ははるかに少なくなるだろうが,たま〜に引っ張り出して聴くことになりそう・・・。
日ごろは安物の日本酒や焼酎に浸っているぼくでも,ときどきは,ちょっとオシャレなワインなどという代物を飲んでみたくなるときもある・・・(^_^;)


ほぼ毎年,少しずつ異なったコンセプトで新作を発表してくれる Harry Connick, Jr. だが,そろそろまた以前のような New Orleans Funk のアルバムをリリースしてもらいたい・・・m(_ _)m
◎ "She" [Sony/Columbia 64376] -1994
全14曲中,Meters の George Porter, Jr. が10曲,Joseph "Zigaboo" Modeliste が3曲に参加しているアルバム。
ラストの "Booker" は James Booker に捧げられた曲で,全ての楽器を Harry Connick, Jr. が一人で演奏している。
2009年11月26日 11時08分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2009年11月23日(月)
Sam Cooke "tribute to the Lady"
Sam Cooke "tribute to the Lady plus bonus singles" [Remember RMB 75150]

Classic Album: Tribute To The Lady
1. God Bless The Child
2. She's Funny That Way
3. I've Got A Right To Sing The Blues
4. Good Morning, Heartache
5. 'Tain't Nobody's Bizness If I Do
6. Comes Love
7. Lover Girl
8. Let's Call The Whole Thing Off
9. Lover Come Back To Me
10. Solitude
11. They Can't Take That Away From Me
12. Crazy In Love With You (Crazy She Calls Me)

Classic Singles:
13. Everybody Loves To Cha Cha Cha
14. Little Things You Do
15. Only Sixteen
16. Let's Go Steady Again
17. There, I've Said It Again
18. One Hour Ahead Of The Posse
19. Happy In Love
20. I Need You Now

以前 CD 化されたことはあったものの廃盤になっていた Sam Cooke の3枚目のアルバム(1959) が久しぶりにリイシューされた。残念ながらジャケ写はオリジナルから変更されているが,ボーナス・トラックとして追加された曲の中には,初 CD 化の曲(18.) が含まれている。

● Sam Cooke "Tribute to the Lady (Hybrid) [SACD]" [ABKCO UIGY 7041]
● Sam Cooke "Tribute to the Lady: with Rene Hall Orchestra" [KEEN CD-2004]
↑ オリジナルのジャケット・デザインは,Sam Cooke のアルバムの中でもトップ・クラス。

背景の「赤」と「青」は,過去と未来,善と悪,聖と俗などを表し,その境界線上で斜め45度から後ろを振り向く Sam Cooke の姿は,彼の中にある苦悩・ブルースを表現しているような気がする。

このアルバムをリリースしてから十数年後,Sam Cooke は亡くなる前,次のアルバムで blues を取り上げるつもりだと,Lou Rawls に語っていたそうだ。
Sam talked to Lou a little about the kind of blues album he was planning to cut, something like Lou's recent hit, "Tabacco Road," but more downhome -- Muddy Waters, John Lee Hooker, nothing like he had ever done before. (p. 614 "Dream Boogie" by Pete Guralnick)

Lou Rawls には,Fame Gang をバックに,Sam Cooke の曲ばかりを歌ったアルバムがある。
■ Lou Rawls "Bring It on Home" [Capitol ST-479] -1970


表題の CD で初めて CD 化された "One Hour Ahead Of The Posse" は,"There, I've Said It Again" の B 面曲(1959, Keen 2105) で,Burt Ives という Folk singer の書いたカントリー調の曲。
歌詞は,The Songs of Sam Cooke のサイト内の The Songs で読むことができる。
2009年11月23日 00時03分 | 記事へ | コメント(6) | トラックバック(0) |
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2009年11月22日(日)
The Soul Children "Genesis"
The Soul Children "Genesis + 1" [STAX/Victor VICP-61563]

1. I Want to Be Loved (Sam D.Bell)
2. Don't Take My Sunshine (Bobby Newsome)
3. Hearsay (Norman West, John Colbert)
4. All That Shines Ain't Gold (John Gary Williams, Tommy Tate)
5. It Hurts Me to My Heart (Bettye Crutcher)
6. I'm Loving You More Everyday (James Mitchell)
7. Just the One (I've Been Looking For) (A. Isbell, E.Floyd, S.Cropper)
8. Never Get Enough of Your Love (Eddie Floyd)
9. All Day Preachin' (Bettye Crutcher, Bobby Manuel)
10. Get Up About Yourself (Homer Banks, Raymond Jackson, Carl Hampton)
11. Poem On The School House Door (Homer Banks, Raymond Jackson, Carl Hampton)

1972年リリースの The Soul Children の3rd アルバムに1曲追加された日本盤 CD。
歌詞・日本語解説(鈴木啓志) と,「私とソウル・チルドレン」というエッセイ(村上テツヤ・ゴスペラーズ) が付いている。
最近紙ジャケ化されているが,それにはボートラ(11.)は追加されていないようだ。シングル集の CD があり,それに収録されている。
◎ "The Singles + Open Door Policy" [Stax/Fantasy CDSXD 101] -1993

Stax 時代の The Soul Children には4枚の LP があり,2on1で CD 化されている。ただし,UK 盤と US 盤があり,手元にある UK 盤は1st と3rd,2nd と4th という変則的な組み合わせになっているので,US 盤のほうがオススメ。
○ "The Soul Children / Best of Two Worlds" [Stax ]
○ "Genesis / Friction" [Stax ]

それら4枚のアルバム中で最高傑作とされているのが,この "Genesis" 。
Jim Stewart と Al Jackson, Jr. のプロデュースで,The MG's などによる演奏が中心だが,8分以上もあってアルバム全体のハイライトとも言える1曲目 "I Want To Be Loved" のドラムだけ Howard Grimes 。
The Enchanters のカバーだが,男女混成の4人グループという特長を最大限に生かしたアレンジが施され,8分という長さを全く感じさせない名演・名唱。オリジナルは ↓ で。
● V.A. "The Best Of Loma Records [2 CDs]" [Waner Archives 9 45711-2]
I - 8. I Want To Be Loved - The Enchanters

2. Don't Take My Sunshine もカバーで,オリジナルは J.P. Robinson らしいが残念ながら未 CD 化。Johnnie Taylor も歌っている曲。
◎ "One Step Beyond" [STAX SCD-8598-2] -1971
7. Just the One (I've Been Looking For) は,Johnnie Taylor がオリジナル。
◎ "Wanted One Soul Singer" [ATLANTIC/RHINO 7 82253] -1967

3. Hearsay (Norman West, John Colbert) は彼らのオリジナルで,ヒット(1972, R&B Singles: 5,Hot 100: 44) もしている。2本のギターは,Raymond Jackson (Lead) と Bobby Manuel (Rhythm) ・・・?
The Soul Children--Hearsay (1972) @ Youtube


4. All That Shines Ain't Gold (John Gary Williams, Tommy Tate)
見た目の派手なカッコいい男に心を奪われかけている恋人に,「輝くもの必ずしも金ならず」という有名なことわざがあるくらいなのだから,よく考えろ・・・と語りかけている曲。
The MG's と Marvel Thomas などをバックに,John Colbert(J.Blackfoot) と Norm West がハードなシャウトで掛け合う,ディープなスロー・バラード。
そんな名曲を Luther Ingram は,ちょっとテンポを上げ,Muscle Shoals Sound をバックにスウィートなソウル・バラードとして歌っている。
● Luther Ingram "Let's Steal Away to the Hideaway/Do You Love Somebody" [Kent CDKEND 328]
4. All That Shines (Thomas Tate, John Gary Williams)
Thomas Tate とあるのは,もちろん,KOKO で Luther Ingram のレーベル・メイトだった Tommy Tate のこと。聴いた印象は全く異なりタイトルも縮められているが,The Soul Children の "All That Shines Ain't Gold" と同じ曲。
2009年11月22日 14時50分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
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2009年11月21日(土)
"Let's Steal Away to the Hideaway / 〜"
Luther Ingram "Let's Steal Away to the Hideaway/Do You Love Somebody" [Kent CDKEND 328]

1.〜 10. ○ "Let's Steal Away To The Hideaway" [Ko Ko LP 1300] -1976
11. I'll Love You Until The End (Version 2) [Ko Ko LP 2202] -1972
12.〜 21. ○ "Do You Love Somebody" [Ko Ko LP 1302] -1977

Luther Ingram が KOKO 時代にリリースした4枚のアルバムのうち,後半の2枚を2on1にした CD。
● "I've Been Here All The Time / If Loveing You Is Wrong I Don't Want To Be Right" [KENT CDKEND 315] -2009
↑ 1枚目と2枚目を2on1にした CD に比べると,既発のシングル集と重複しない LP だけの曲は多く,11曲も収録されている。(KOKO 時代の作品リスト → L_Ingram.xls )

● "Pity For The Lonely: The Ko Ko Singles Vol. 1" [KENT CDKEND 279] -2007
● "I Don't Want To Be Right: The Ko Ko Singles Vol.2" [KENT CDKEND 292] -2008

ボーナス・トラックとして追加されている "I'll Love You Until The End (Version 2)" は,2枚目の LP に収録されていたバージョン。その LP はとっくの昔に手放しているので確認できないが,P-Vine 盤の CD [PCD-2296] にはこの Version 2 が収録されていて,その解説(石黒恵) 中に 「この曲は彼の最初のアルバムにも収録されているナイス・ジャンプなのだが,ここではスローにアレンジされ,全く異なったバラードに生まれ変わっている。」 と書いておられたので,間違いないようだ。
"I've Been Here All The Time / If Loveing You Is Wrong I Don't Want To Be Right" のライナー(Tony Rounce) には As one track appeared on both albums, we have not duplicated it on this CD. とあり,同タイトルの2曲が同じバージョンだと思い込んでいたことによる単純ミス・・・(^_^;)
Ace/Kent のライナー・ノートと言えども,「鵜呑み」にしてはいけないということはよくわかっているのだが・・・。
もちろん,このブログに書いてある内容も,そのまま「鵜呑み」にしてはいけません・・・m(_ _)m

ただ,この CD の内容そのものは非常に素晴らしく,'70 年代半ばの「サザン・ソウル」の王道を行く Muscle Shoals Sound であることは間違いない。
Muscle Shoals Rhythm Section (Roger Hawkins, Jimmy Johnson, David Hood, Barry Beckett) をバックに,Pete Carr の泣かせるギターが大活躍している。

この時代の後 Luther Ingram が表舞台に登場することはほとんどなく,シングルをいくつかリリースするものの,アルバムは1枚あるだけ。
◎ "Luther Ingram" [Profile/BMG 75517465182] -1986
シンセを中心としたバックのサウンドはチープだが,Luther Ingram のボーカルはますます円熟味を増し,その表現力は全く衰えていない。
2009年11月21日 08時45分 | 記事へ | コメント(6) | トラックバック(0) |
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2009年11月15日(日)
Rod Stewart "Soulbook"
Rod Stewart "Soulbook" [RCA/JIVE 8697-30256-2]

1. It's The Same Old Song - The Four Tops (1965, R&B Singles: 2, Hot 100: 5)
2. My Cherie Amour featuring Stevie Wonder - Stevie Wonder (1969, R&B Singles: 4, Hot 100: 4)
3. You Make Me Feel Brand New duet with Mary J. Blige - The Stylistics (1974, R&B Singles: 5, Hot 100: 2)
4. (Your Love Keeps Lifting Me) Higher And Higher - Jackie Wilson (1967, R&B Singles: 1, Hot 100: 6)
5. Tracks Of My Tears featuring Smokey Robinson - The Miracles (1965, R&B Singles: 2, Hot 100: 16)
6. Let It Be Me duet with Jennifer Hudson - Jerry Butler & Betty Everett (1964, R&B Singles: 5, Hot 100: 5)
7. Rainy Night In Georgia - Brook Benton (1970, R&B Singles: 1, Hot 100: 4)
8. What Becomes Of The Broken Hearted - Jimmy Ruffin (1966, R&B Singles: 6, Hot 100: 7)
9. Love Train - The O'Jays (1973, R&B Singles: 1, Hot 100: 1)
10. You've Really Got A Hold On Me - The Miracles (1963, R&B Singles: 1, Hot 100: 8)
11. Wonderful World - Sam Cooke (1960, R&B Singles: 2, Hot 100: 12)
12. If You Don't Know Me By Now - Harold Melvin & the Blue Notes (1972, Hot 100: 3)
13. Just My Imagination - The Temptations (1971, R&B Singles: 1, Hot 100: 1)

Rod Stewart の新作。タイトルどおり,ソウルのカバー・アルバム・・・と言っても,ポップ・チャートでもヒットしている曲ばかりで,2. や 6. のようにシャンソン風の曲もある。
今なら Youtube でこのアルバムの TV 用の CM や収録曲の試聴などをすることができる。
Rod Stewart - Soulbook @ Youtube
Rod Stewart (NEW ALBUM: Soulbook) - Wonderful world @ Youtube

最近は余程のことがない限り,1枚の CD を何度もくり返して聴くということはないのだが,この数日は,これとその関連作ばかりを聴いていた。この1週間ほどで,今年最も多く聴いた CD になってしまったほど・・・(^_^;)
最初は,どうせボーナス・トラック付きの日本盤が出るだろうから,それを買えばいい・・・と思っていたのだけれども,いつになくシンプルなジャケ写が目を引き,手にとって裏返してみると,プロデューサの一人に Steve Jordan の名前があったので,購入する気になった。
聴いてみると,やはり Steve Jordan のスティックさばきが心地よく,ドラムだけを追っかけて聴いていると自然に顔がほころんでくる・・・(^^♪
何度もくり返して聴いているうちに,Rod のボーカルも悪くはない・・・と思えるようになった。
もちろん,日本盤(12/23) も買ってやるつもり。ボートラとして追加される2曲は,どちらも Jerry Butler のヒット曲。
14. Never Give You Up - Jerry Butler (1968, R&B Singles: 4, Hot 100: 20)
15. Only The Strong Survive - Jerry Butler (1969, R&B Singles: 1, Hot 100: 4)


The Blues Brothers Band で Willie Hall の影武者的な役割を果たすなど,セッション・ドラマーとして定評のあった Steve Jordan に,プロデューサの才能があることを最初に見抜いたのは,キース ↓ 。
◎ Keith Richards "Talk Is Cheap" [Virgin 7-90973-2] -1988
● Solomon Burke "Like a Fire" [Shout/P-Vine PCD-93126] -2008
最近は Solomon Burke の新作(↑) をプロデュースしたり,Chess を題材にした映画 "Cadillac Records" のサントラなども担当しているようだ。

ただし表題の CD では,すべての曲を Steve Jordan がプロデュースしているわけではなく,"The Great American Songbook" シリーズの III と IV にクレジットされていた Steve Tyrell がプロデュースしている曲(3. 5. 7. 12. 13.) もある。9. Love Train だけは二人の共同プロデュースで,まるで「お祭り騒ぎ」・・・(^^♪
また,ボーカルのパートについては,すべて Steve Tyrell のプロデュースで,Steve Jordan は関わっていないようだ。前作 "Stiil The Same... Great Rock Classics of Our Time" での失敗を反省して,バカ売れした "The Great American Songbook" シリーズのファンに配慮したのかもしれない。Steve Tyrell がプロデュースした曲のサウンドは,そのシリーズの延長線上にある。

Steve Jordan が担当している曲(1. 2. 4. 6. 8. 10. 11.) の基本的なリズム・セクションのメンバーは,
Drums/Percussion: Steve Jordan
Bass: Bob Babbitt
Guitars: Ray Parker, Jr. and Dean Parks
Keyboards: Michael Bearden or David Paich

11. Wonderful World は Sam Cooke のカバーだが,Sam よりは Otis Redding のバージョンをはるかに意識した仕上がりになっている。Steve Jordan のドラムはまるで Al Jackson のようで,Duck Dunn のようなベースを弾いているのは何と Daryl Jones 。Booker T. のような Organ は Charles Hodges で,Horn には Wayne Jackson や Jack Hale がいて,そのアレンジは Willie Mitchell 。
さらに,Mixed by Al Schmitt というクレジットまである。その他の曲でも Al Schmitt の名前がいくつかクレジットされていて,まだ現役で頑張っていることに驚き,ほかにどんな仕事をやっているのだろうと思い AMG で検索すると,↓ にもエンジニアとしてクレジットされていたので,さらに驚いた・・・(^_^;)
○ Micael Jackson "Michael Jackson's This Is It"

10. You've Really Got A Hold On Me は,最近 "Bring It On Home To Me" 入りのライブ・バージョンが CD 化されたばかり。
● The Miracles "Depend on Me: The Early Albums" [Hip-O Select B0012855-02]
2009年11月15日 22時50分 | 記事へ | コメント(7) | トラックバック(0) |
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2009年10月25日(日)
"Steal Away: The Early Fame Recordings"
Jimmy Hughes "Steal Away: The Early Fame Recordings" [KENT CDKEND 324]

1. Lovely Ladies 2. There Is Something On Your Mind 3. A Shot Of Rhythm And Blues 4. Neighbour, Neighbour (Version 1) 5. Everybody Let's Dance 6. Steal Away 7. Try Me 8. I'm Gonna Rise Again 9. I Tried To Tell You 10. I'm Getting Better 11. Stormy Monday Blues 12. I Want Justice
13. I'm Qualified [Guyden 2075 / Jamie 1280]
14. My Loving Time [Guyden 2075 / Jamie 1280]
15. Lollipops, Lace And Lipstick [Fame 6401]
16. You Might As Well Forget Him [Fame 1002]
17. Goodbye My Lover Goodbye [Fame 6407]
18. You Really Know How To Hurt A Guy [Fame 6410]
19. Have You Done Got Over Me? [unissued]
20. Girl You Belong Here With Me [unissued]
21. My Adorable One [unissued]
22. Steal Away Part Two [unissued]

● Jimmy Hughes "The Best Of Jimmy Hughes" [Fame 103] -2008
↑ がリリースされた後,全く音沙汰のなかった Fame 関連のリイシューだが,英 KENT が権利を取得して CD 化してくれるようだ。
まず手始めに発売されるのが,Jimmy Hughes の Fame 時代(1962-67) の音源を2枚の CD にまとめたもの。
表題の CD はその1枚目で,1.〜 12. は LP "Steal Away" の収録曲,13.〜 18. はシングルのみだった曲,19.〜 22. が未発表曲。→ J_Hughes.xls
引き続き,来春には2枚目の CD がリリースされる予定。
● "Why Not Tonight: The Later Fame Sides" [Kent CDKEND 331]

いかにも英 Kent らしい丁寧なライナー・ノート(Tony Rounce) が付いていて,二度録音され1枚目の LP では A.Valier,2枚目では Huey Meaux とクレジットされていた "Neighbor, Neighbor" は,Meaux simply bought the song from him ということだったらしい。英米では日本のように著作者人格権(moral right) が尊重されず,財産権としての著作権(copyright) のみが強調されるため,このように,クレジットされる名前と実際の作者が異なることがよくある。

"Steal Away" という曲にもいろいろなクレジットのものがあるけれども,こちらは同名異曲。
"Steal Away (to Jesus)" というゴスペル曲もあり,奴隷制時代に南の奴隷州から北の自由州へ逃亡する奴隷を手助けする組織の合言葉のように使われていたことがあったといわれている。
Sam Cooke も Keen 時代に "Steal Away" というタイトルの曲を歌っているが,それは,ゴスペル曲をポップに改作したもの。
ところが,Jimmy Hughes が作って歌った,この "Steal Away" は,サウンドにはゴスペルの残り香が漂っているものの,歌われている内容は,全くの罰当たり・・・(^_^;)
もちろん,これ以前にも不倫や三角関係を題材にした歌はあったが,それらは,恋人に逃げられた,あるいは友人に裏切られた・・・なとど,被害者の立場から歌われていたのに対して,この "Steal Away" では 「駆け落ちしよう」 と,言わば加害者の立場で歌っているわけだから,その差は大きい。
このヒット(R&B: 17, Hot 100: 17) のあと,James Carr "The Dark End Of The Street" (R&B: 10, Hot 100: 77) や,さらには Luther Ingram "(If Loving You Is Wrong) I Don't Want To Be Right" (R&B: 1, Hot 100: 3) のような大ヒット曲が生まれている。このような,不倫を文化として容認するような曲がヒットする背後には,そういう曲を好むリスナーやシングルの購買者の間に経済的・精神的な自立が芽生え始めていたという社会的な変化があったはず。

サザン・ソウルの分野で「不倫ソング」の占める割合は大きく,そういう曲ばかりを集めたコンピ盤がある。
◎ V.A. "If Loving You Is Wrong: 20 cheatin' heartbreakers" [KENT CDKEND 208] -2002
◎ V.A. "Cheatin' Soul and the Southern Dream of Freedom" [Trikont US-0337] -2005

手持ちの CD との重複が多いため未入手だが,男女別に編集されたものまである。
○ V.A. "Cheatin': From a Man's Point of View" [Soul Classics ]
○ V.A. "Cheatin': From a Woman's Point of View" [Soul Classics ]


思い起こせば8年前,↓ の2枚の CD から始まった Goldwax 関連のリイシューが,
◎ James Carr "The Complete Goldwax Singles" [KENT CDKEND 202] -2001
◎ V.A. "The Goldwax Story vol. 1" [KENT CDKEND 203] -2001
今年には ↓ という夢のような CD までリリースされるようになった。
● "The Complete Goldwax Singles Volume 1 [1962-1966] (2 CDs)" [ace CDCH2 1226] -2009
◎ "The Complete Goldwax Singles Volume 2 [1966-1967] (2 CDs)" [ace CDCH2 1236] -2009
○ "The Complete Goldwax Singles Volume 3 (2 CDs)" [ace CDCH2 ] -2010

ということは,その Goldwax と同じように,この Fame についても,将来的には "The Complete Fame Singles" などというような CD がリリースされても不思議ではない・・・?
Goldwax がスタジオを持たないレーベルだけの存在だったのに対して,Fame はレーベルとしてよりも Recording Studios としての活動の方が重要だったという違いはあるが,それでも,Fame Records としてリリースされた作品や Fame を経由してメジャーから配給されたシングル盤の中には,評価が高くしかもレアなものが少なくないはず。

表題の CD のライナー中には,Dan Penn と Lindon "Spooner" Oldham の最初の共同作業だった "I Tried To Tell You" という曲に関連して,
Penn was also recording for Fame at this time, His single 'Close To Me' (Fame 6402) separated 'Steal Away' from 'Try Me' in the label's nascent catalogue.
などという思わせぶりな記述がある。
Dan Penn が Fame からリリースしたシングルは2枚(6402, 6409) だけだが未発表曲が20曲近くあるらしい。もし,それらを発掘することができれば,Dan Penn の作品だけで1枚の CD を作れるはずだが・・・m(_ _)m
2009年10月25日 09時48分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
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2009年10月16日(金)
The Miracles "Depend on Me"
The Miracles "Depend on Me: The Early Albums" [Hip-O Select B0012855-02]

Disc I:
1.〜 11. "Hi, We're The Miracles" [1961, Tamla 220]
12.〜 21. "Cookin' With The Miracles" [1961, Tamla 223]
22.〜 24. Non-LP Singles [1959〜1961]
25.〜 29. "I'll Try Something New (Side A)"
Disc II:
1.〜 5. "I'll Try Something New (Side B)" [1962, Tamla 230]
6.〜 15. "The Fabulous Miracles" [1963, Tamla 238]
16.〜 24. "Recorded Live On Stage" [1963, Tamla 241]
25. 26.  Bonus Tracks

The Miracles の初期5枚の LP と,Non-LP Singles(3曲),Bonus Tracks(2曲) を2枚の CD に詰め込んだ,5+α on 2 というお買い得のアルバム。各 LP ジャケットの縮刷版も付いている。

"Recorded Live On Stage" に収録されている "You've Really Got A Hold On Me" では,"Bring It On Home To Me" がメドレーで歌われているので,Sam Cooke ファンにもオススメ。CD 化されたのは,初めてのはず。
ライナー(Stu Hackel) によると,
In live perfomance, as evident on their Recorded Live LP, the audience could sing along. The group feeds off the energy of the crowd, embellishing their hits by adding samples of the songs that inspired them -- Barbara Lynn's "You'll Lose A Good Thing" on "I'll Be Good To You," the Isley Brothers' "Shout" on the breakneck paced "Happy Landing," and "Bring It On Home To Me" on "You've Really Got A Hold On Me."

実際,途中で Smokey Robinson が突然 "Bring It On Home To Me" を歌い始めても聴衆はすぐに反応していっしょに歌っている。
Recorded live at the Apollo, New York, NY, December 17, 1962 というクレジットがあり,最近ならブートレッグでもまだマシな音の CD がある・・・という程度のサウンド。擬似ライブではないように聴こえるのだけれども,あまりにも聴衆の反応が良すぎる・・・?

各 LP の裏ジャケも縮刷されていて,このライブ盤では,トラック・リストではなく Publishers として "Bring It On Home To Me", Kags Music と "You'll Lose A Good Thing", Jamie Music がクレジットされていた。


ちょうど,The Five Blind Boys で Mississippi =上品,Alabama =下品,という固定観念が未だに拭いきれないように,Stax =手作り,Motown =オートメーション という,むか〜しの思い込みがなかなか払拭できず,さらに「手作り」→職人技・名人芸,「オートメーション」→粗製濫造 というイメージが未だに完全には消えていないのだが,そんな中でも,この Smokey Robinson は,好きなシンガーの一人。

↓ ボ・ガンボス がパロディ化してジャケ写に使用した1st アルバムは,アナログ盤で持っていたことがある。
● ボ・ガンボス(BO GUMBOS) "SHOUT!" [FILE BO-002D]


Smokey Robinson は,非常にわかりやすいシンプルな英語で奥深く味わい深い内容の込められた詩を書くソングライターとしても一流なのに,Marvin Gaye や Stevie Wonder,Diana Ross に比べると,日本での評価は低すぎるように思う。

最近流行りの紙ジャケも Smokey Robinson & The Miracles のものは,あまり見たことが無い・・・?
2009年10月16日 20時35分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
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2009年10月15日(木)
Don Varner "Finally Got Over!"
Don Varner "Finally Got Over!: Deep Soul from the Classic Era" [RPM/Shout RPMSH 299]

1. More Power to Ya (Don Varner)
2. Handshakin' (Eddie Hinton/Donnie Fritts/Lindon Oldham)
3. Mojo Mama (Jerry Wexler/Bert Berns)
4. Down in Texas (Eddie Hinton/Marlin Greene)
5. Here Come My Tears Again (Don Varner)
6. Masquerade (Eddie Hinton)
7. Home for the Summer (Eddie Hinton/Marlin Greene)
8. I Finally Got Over (Don Varner)
9. Sweetest Story (Eddie Hinton/Marlin Greene)
10. I'm Still in Love with You (Jerry Williams Jr)
11. One Woman Man (David Johnson)
12. Power of Love (Dan Penn/Lindon Oldham)
13. You Left the Water Running (Dan Penn/Rick Hall)
14. I Can If You Can (Don Varner/William Crump)
15. That's All Right (Don Varner/William Crump)
16. Tear Stained Face (Don Varner)
17. Meet Me in Church (Joe Tex)
18. He Kept on Talking (Jerry Williams Jr)
19. I'd Like to Be (Don Varner)
20. Keep on Doing What You're Doing (Don Varner)
21. When It's Over (Eddie Hinton)
22. Laying in the Gap (Don Varner/William Crump)
23. You Poured Water on a Drowning Man (Don Varner/William Crump)

この CD についても,いつも参考にさせていただいている 『楽ソウル』(p.243) にくわしい解説があり,ぼくのようにシングル・コレクターではない人間がつべこべと書くのは畏れ多いシンガーなのだけれども,Bill BrandonTony Borders と続けば,この Don Varner についても一言書いておきたくなるのが人情というもの・・(^_^;)

"The Sweet Sounds Of Muscle Shoals" のシリーズや "Rare Soul From Alabama" でリリースされていた15曲(1.〜 4. 6. 7. 9.〜 13. 16.〜 18. 21.) のうち,1. 2. 7. 9. は,not CD but LP に収録されていた曲。→ SouthCamp-Quinvy.xls

それらに追加されている曲があるのはうれしいのだが,レーベル経由での CD 化ではないのでオリジナルのマスター・テープを使えなかったためか,Soulscape の CD に比べると音質に少々物足りないところがあるのは,残念。Quinvy/Southcamp の作品だけでももう一度,Bill Brandon や Tony Borders 並みの音でリイシューをお願いしたい・・・m(_ _)m
追加された8曲のうち,5. 8. がデビュー・シングル(Downbeat 102) で,14. 15. は Quinvy/Southcamp のあと Allen Orange のレーベルからリリースされたシングル(House Of Orange 2404),19. 20. はさらにその後 Don Varner 自身のレーベルからリリースされたシングル(Roaring 62453)。残る 22. 23. はライナーによると,デビュー・シングルをリリースした後,Ed Boutwell という人物と録音した作品で,Quinvy に持ち込んだデモ曲らしい。

Quinvy/Southcamp に録音していた時代,Don Varner は Eddie Hinton と Paul Ballenger という人物がオーナーの Ruler Music と契約していて,その関係から Eddie Hinton がソングライターやプロデューサとして関わった作品が多い。
The Allman Brothers Band の前身とも言える The Hourglass が3曲もカバーしているのは,おそらく Eddie Hinton を経由してであると思われる。
● The Hour Glass "The Hour Glass" [BGO CD 536]
12. Power Of Love 17. Down In Texas 19. Home For The Summer

"Down In Texas" は,先日来日した The Decoys も演奏していて,アメリカではライブのレパートリに加えられているようだ。


Don Varner の作品の中で個人的にいちばんのお気に入りなのは,やはり "You Left The Water Running"
スローでねちねちとしつこい Maurice & Mac から,Barbara Lynn の女性らしく華やかなバージョン,作者である Dan Penn のセルフ・カバー,そしてこの Don Varner の怒涛の最速バージョンまで,いろいろなアレンジで歌われていて,聴き比べてみると非常におもしろい。
"Rare Soul From Alabama" のライナーによると,1967年9月23日に行われた "You Left The Water Running" と "Tear Stained Face" のセッション・メンバーは,
Roger Hawkins - drums, David Hood - bass, Jimmy Johnson - guitar, Floyd Newman - trumpet, Gene "Bo Legs" Miller - trumpet, James Mitchell - saxophone, Aaron Varnell - trombone, Background Vocals: Jeanie Greene, Mary Holliday, Susan Coleman, Donna Thatcher

同じライナーによると,1967年2月19日に録音された "When It's Over" に参加しているのは,
Roger Hawkins - drums, Spooner Oldham - keyboards,Junior Lowe - guitar, Eddie Hinton - bass, Marlin Greene - guitar, Carl Gholston - horns, Grailor Price - Horns, Carl Jackson - horns, Fred Wasley - trombone, Background Vocals: Jeanie Greene, Mary Holiday, Susan Coleman
2009年10月15日 00時10分 | 記事へ | コメント(4) | トラックバック(1) |
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