ニックネーム:Mr.Pitiful
タイトルの "R 'n' S & B" は "ROCK 'n' SOUL & BLUES"。 "+ c" は, 最近聴き始めた Country Music 。
2006年11月28日(火)
Mickey Gilley
Mickey Gilley "Ten Years of Hits" [EPIC EGK 39867]

1. Room Full Of Roses 2. I Overlooked A Orchid 3. Window Up Above 4. City Lights 5. Don't The Girls All Get Prettier At Closing Time 6. Lonely Nights 7. Tears Of The Lonely 8. Put Your Dreams Away 9. Talk To Me 10. You've Really Got A Hold On Me 11. Stand By Me 12. True Love Ways 13. That's All That Matters 14. A Headaache Tomorrow (Or A Heartache Tonight) 15. You Don't Know Me
16. Bring It On Home To Me
17. Lawdy Miss Clawdy 18. She's Pulling Me Back Again 19. Chains Of Love 20. The Power Of Positive Drinkin'

1976年 "Bring It On Home To Me" を歌って,カントリーのチャートで1位にしたシンガー。Jerry Lee Lewis のいとこ(1歳年下)。

19. Chains Of Love も Sam Cooke が歌っているが,こちらのオリジナル(?)は,Big Joe Turner。
● Sam Cooke "The Rhythm And The Blues" [RCA/BMG 07863 66760-2]
ほかに,Bobby "Blue" Bland や Jimmy Hughes などが歌っていた。

9. Talk To Me 10. You've Really Got A Hold On Me 11. Stand By Me や,17. Lawdy Miss Clawdy も,R&B・Soul ファンにはおなじみの選曲。
特に "Stand By Me" は,映画「Urban Cowboy」中で歌われて,評判になったらしい。

それ以外では,12. True Love Ways が Buddy Holly の曲で,15. You Don't Know Me は Presley を初めとして,Harry Connick, Jr. や Ray Charles,Jackie Wilson も歌っている。


こんな風に,カントリーの歌手が R&B や Soul の曲を歌うのは決して珍しいことではなく,こういうのを聴いていると,ジャンルの違いをどうのこうのと言うのはバカらしくなってくる。

今年も,もうしばらくすると Sam Cooke の命日がやってくることだし,それまでは怒涛の "Bring It On Home To Me" カバー特集の予定・・・(^_^;)
2006年11月28日 20時38分 | 記事へ | コメント(3) | トラックバック(0) |
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2006年11月25日(土)
The Essential Ronnie Milsap
Ronnie Milsap "The Essential Ronnie Milsap (2 CDs)" [RCA Nashville 82876767672]

● "40 #1 Hits [ORIGINAL RECORDING REMASTERED]"
本当は ↑ のほうが欲しかったのだけれども,廃盤になっているらしく中古でも高かったので,今年発売されたばかりのこの2枚組 CD を購入。こちらは,全40曲のうち No.1 ヒット(Country) は31(?)曲。
http://www.sonybmgtv.com/pc-136-2-ronnie-milsap-the-essential-ronnie-milsap.aspx

Ronnie Milsap の RCA 時代の全体像を手っ取り早く知るためには,最適のアルバムだと思うが,僕のいちばんのお気に入りである "Too Late To Worry, Too Blue To Cry" が収録されていないのは残念。


最近のネット・ショップは非常に便利で,一月ほどの間に,中古ショップと合わせて,これ↓だけ集めることができた。
詳細は,また後ほど・・・(^_^;)

● "RCA Country Legends" [RCA/Buddha 74465 99790 2]
● "The Crazy Cajun Recordings" [Edsel NESTCD 909]
 1963年頃に Houston で録音された Huey Meaux プロデュースの作品集。
 意外だったのは,シングルとして発表された"Total Disaster" が,かなりモータウンっぽかったこと。
● "Kentucky Woman: 22 Country-Soul Recordings" [Country Stars CTS 55485]
 Scepter 時代 (1965〜9) にシングルとして発表された曲と,当時は未発表だった曲を収録したアルバム。
 AMG では見当たらなかったが,ヨーロッパで CD 化されていた。既に Penn/Oldham の曲を歌っていたり,"The House Of The Rising Sun" には trad./adapt. C. Moman とクレジットされているなど,かなりの曲が Memphis で録音されている。
● "Ronnie Milsap" [Warner Bros./Collectables COL-CD-7709]
 1971年発表の,最初の LP。Produced by Dan Penn。Memphis 録音が8曲,Muscle Shoals 録音が4曲,Nashville 録音が1曲という構成。
● "A Rose By Any Other Name" [Warner Bros./Collectables COL-CD-7710]
 RCA に移籍してヒットを飛ばし始めた,そのおすそ分けにあずかろうと,1975年に発売されたアルバム。
 Chips Moman プロデュースの4曲と Dan Penn プロデュースの曲が6曲 (内5曲は1971年の LP と重複)。
◎ "Pure Love / A Legend In My Time" [Eagle/BMG EAMCD093]
 RCA からの2枚目 (1974) と3枚目 (1975) の LP を2on1にした CD。2枚目に収録されていた "Pure Love" が,最初の No.1 ヒット。
◎ "It Was Almost Like A Song" [RCA 07863 66402-2]
 RCA 7枚目 (1977)。
◎ "Inside" [Buddha/BMG 7446599670 2]
 RCA 14枚目 (1982)。
◎ "Sings His Best Hits For Capitol Records" [Capitol 72438-31839-2-0]
 1990年代に入ってヒットが途切れ始めたためか,一時 Capitol に移籍した時代 (1996) に録音された再録音バージョン集。
 かなりロックっぽいアレンジで,ヘビメタ風にギターが唸る曲もある。
● "My Life" [RCA/BMG 82876-80895-2]
http://www.myspace.com/ronniemilsap
2006年11月25日 11時59分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2006年11月21日(火)
The Great Johnny Adams R&B Album
Johnny Adams "The Great Johnny Adams R&B Album" [ROUNDER 11661-2183-2]
1. I Need A Lot Of Loving
2. From The Heart 3. You Don't Miss Your Water 4. She Said The Same Things To Me 5. I Feel Like Breaking Up Somebody's Home 6. She's Everything To Me 7. Neither One Of Us (Wants To Be The First To Say Goodbye) 8. Going Out Of My Mind Sale 9. The Jealous Kind 10. If I Ever Had A Good Thing 11. Won't Pass Me By 12. Still In Love

Rounder 時代のジャンル別ベスト盤の第2弾。
前回の "Blues Album" とは違い,今回は1曲だけでも未発表曲が収録されている。
1. I Need A Lot Of Loving
Wilson Pickett,The Ovations,Mighty Sam McClain などのバージョンがある Dan Penn / Spooner Oldham のコンビによる作品。
専属(?)ギタリストである Walter "Wolfman" Washington に,ピアノは Dr.John,ベースとドラムは The Lower 911 と同じというメンバーによる演奏で,セカンド・ライン風にアレンジされているけれども,サザン・ソウルのバージョンがあまりにも耳に馴染んでいるため,もう一つしっくりこないが,Johnny Adams の新しい曲が聴けるだけでもうれしい。
この程度の未発表曲は,まだまだ残っていそうな気もするし,"Blues" → "R&B" ときたら,次は "Soul" の編集盤か・・・?


Rounder 時代の CD は,Rounder の公式サイト で収録曲の確認ができるし,編集盤以外に重複曲の心配はないが,Rounder 以前の作品は,さまざまなレーベルから全くまとまりなく CD 化されているので,収拾がつかなくなっている。
ネット・ショップ等で確認できる範囲の CD は入手できた(最近発売された "An Introduction to Johnny Adams" [Fuel 2000] を除く) ので,収録曲のみのリスト ではあるが,作ってみた。
手元にあるのは,以下の8枚。
◎ "Released: A Memorial Album" [RPM RPMS 219]
◎ "Reconsider Me" [Collectable COL-5741]
◎ "Absolutely The Best" [FUEL 2000 302 061 245 2]
◎ "Heart & Soul" [Vampisoul VAMPI CD 054]
◎ "I Won't Cry" [ROUNDER CD 2083]
◎ "Greatest Performances" [ACE 2043]
◎ "The Immortal Soul Of Johnny Adams" [AIM CD1201]
◎ "Best Of New Orleans Ryhthm & Blues Vol.1" [Mardi Gras MG 9007]

ほかにも,↓のようにコンピ盤に収録されている曲もいくつかあり,
● Various Artists "Our Turn to Cry" [KENT/Atlantic CDKEND 195]
10. I Wish It Would Rain
かなりの作品が CD 化されているけれども,LP やシングル盤だけでしか聴けない曲が,まだまだたくさん残っている。
未 CD 化曲の中には,なんと "Salt Of The Earth" (Jagger/Richards) も含まれている・・・などという,僕を泥沼に引きずり込もうとする悪魔のささやきが・・・(^_^;)
2006年11月21日 23時07分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2006年11月17日(金)
My Life
Ronnie Milsap "My Life" [RCA/BMG 82876-80895-2]

1. You Don't Know My Love 2. It's All Coming Back To Me Now 3. My Life 4. If It's Gonna Rain 5. Time Keeps Slipping Away 6. Why Can't I 7. A Day In The Life Of America 8. Somewhere Dry 9. Local Girls 10. Every Fire 11. Accept My Love

今年,発売された Ronnie Milsap の最新作。
CD を1枚 聴いただけで,手放しで褒めちぎってしまったため,新作がボロボロだったらどうしよう・・・という不安も頭の片隅にはあったが,全くの杞憂だった。
もう還暦を超えている (Mick Jagger より一つ若い) というのに,この声の張り・伸び・艶はどうだ。とても人間業とは思えない。
Johnny Adams の遺作となった "Man Of My Word" のライナー (Leo Romano) が,Nobody holds a note and ends a note like Johnny Adams. という一文で始まっていたが,ここにも,一人,いた。
晩年の Johnny Adams のような,枯淡の境地に達した味わい深さは,わずかに不足しているかもしれないが,こんなに元気なシンガーに枯れた味わいを求めるのは,無い物ねだり。
いやはや恐ろしいシンガーがいたものだ。

http://www.ronniemilsap.com/
↑公式サイトや CD のライナーなどを参考に,Ronnie Milsap の経歴を簡単にまとめてみると,・・・。

1944年,アパラチア山中の,dire poverty とか dirt-poor などと形容されるような極貧のコミュニティに生まれる。家庭環境にも恵まれず,盲学校に入るまでは祖父母の元で,教会ではゴスペル,ラジオではカントリーを聴いて育つ。
1950年代。学校で音楽の才能を認められ,バイオリンを初めとしてピアノや弦楽器・木管楽器など,クラシック音楽の正式な教育を受けながら,夜はラジオで,カントリーやゴスペル,リズム&ブルースを聴く。
在学中に The Apparitions というロックバンドを組む。
一時的に大学に進むが,まもなく音楽活動に専念する。プロとしての最初の仕事は,J.J. Cale のバンドのメンバー。
1963年,Huey Meaux のプロデュースで最初のシングル "Total Disaster" を録音する。
1965年,New York の Scepter Records と契約し,8枚のシングルを発表する。1枚目の "Never Had It So Good" は,ソウル・チャートで中ヒット(5位)を記録する。
1968年,Memphis に移り,Chips Moman や Dan Penn のプロデュースにより,American Studios (一部は Muscle Shoals Sound Studios) で録音を重ね,Warner Bros. から最初のアルバム "Ronnie Milsap"(1971) を発表する。
この時代に,Elvis Presley のセッションにも参加する。
1972年末に Nashville に移動し,1973年春に RCA と契約する。
以後,カントリーのチャートで,40(以上?)の No.1 ヒットを記録し,現在に至る。
2006年11月17日 21時41分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2006年11月14日(火)
A Portrait Of Howard
Howard Tate "A Portrait Of Howard" [Solid Ground SG1001]

1. I'll Be Home (Randy Newman)
2. Close To You (Burt Bacharach/Hal David)
3. Homewrecker (Nick Lowe)
4. With You No More (Howard Tate/Steve Weisberg)
5. Gone (Nick Lowe/Chrissie Hynde)
6. How Do You Think It Feels (Lou Reed)
7. One Hit (Steve Weisberg)
8. Every Time It Rains (Randy Newman)
9. Louisiana 1927 (Randy Newman)
10. Dear Lord (Intro) (Steve Weisberg)
11. Dear Lord (Steve Weisberg)
12. Hell (is just a place on earth) (Steve Weisberg)
13. Left For Dead (on hold) (Howard Tate/Steve Weisberg)
14. The Lord Is Listenin' To Ya, Hallelujah (Carla Bley)
15. Every Time It Rains (Interlude) (Randy Newman)
16. Solid Ground (Howard Tate/Steve Weisberg)
17. I'll Be Home [Short Version]
18. Close To You [Short Version]

今年購入した新譜の新録アルバムの中で,予想を裏切って,期待以上に素晴らしかったのが,この Howard Tate の新作。

"Louisiana 1927" を歌っているのは,以前 Gritz さんのところで紹介してもらっていて気になっていたし,2003年の復活アルバムや今年の春に出たライブ盤もまあまあの出来だったので,どうしようかと迷っていたが,その "Louisiana 〜" 以外にも2曲 Randy Newman の作品を採り上げていたことが,最終的な購入の動機となった。

プロデューサである Steve Weisberg という名前を All Music Guide で調べてみると3人いるのだが,このアルバムには Carla Bley が参加しているので,Jazz 畑の人?
ほかに,Nick Lowe や Lou Reed も曲を提供していて,演奏しているのは Elvis Costello’s band The Carla Bley Band のメンバーが中心。

Howard Tate が,その Steve Weisberg と Randy Newman のトリビュート・コンサートで出会ったことが,このアルバムが生まれるきっかけとなったそうだ。
全体がトータル・アルバム的なつくりになっていて,この CD を聴くことによって Howard Tate の人生を追体験できるようになっている。
その内容は,20代後半から30代初めにかけてささやかではあるが成功をつかみ,戻るべき家庭もあった幸せな時代から,その家庭が崩壊しどん底の時代を経て教会に救われ,復活するまでの道のり。
例えば,イントロとエンディングだけだが Lou Reed 自身によるサイケなギターが印象的で,"Like A Rolling Stone" のリフを連想させるタイトルの 6. How Do You Think It Feels は,クラック中毒になりホームレス生活を送っていた時代を表現しているらしい。
9. Louisiana 1927 はカトリーナ以前に録音されていて,このアルバム中ではノアの大洪水のように再生のために神が与えた試練という位置付けになっている。
Aaron Neville が言い換えて歌っていた部分を原詩のまま poor cracker's land と歌っていたので,ちょっとドキッとしたのだが,cracker にはクラック中毒患者という意味もある・・・?


僕のような不信心者には,神様がどうのこうのと歌われてもピンとこないところがあるが,それでも,自分が歌いたい歌を自分が歌いたいように歌う・・・歌えることに対する喜びみたいなものは,十二分に感じとることができた。

Sam Cooke の影響が大きく,実際に Sam の曲をカバーしていることは紹介済みだが,この CD を聴いていて,その声や節回しから思い浮かべたシンガーは,O.V. Wright だった。
● Howard Tate "Reaction" [Turntable/KOCH KOC-CD-9512]
10. Chain Gang
2006年11月14日 20時07分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2006年11月08日(水)
Country Gospel
Various Artists "Jubilation! Great Gospel Performances Vol.3: Country Gospel" [RHINO R2 70290]

1. I Saw The Light - Hank Williams
2. Preachin', Prayin', Singin' - Lester Flatt, Earl Scruggs & The Foggy Mountain Boys
3. Lonesome Valley - Kitty Wells
4. The Family Who Prays - The Louvin Brothers
5. God Gave Noah The Rainbow Sign - The Carter Family
6. Great Speckle Bird - Roy Acuff & His Crazy Tennesseans
7. Life's Railway To Heaven - Patsy Cline
8. Bugle Call From Heaven - Webb Pierce
9. Satisfied - Martha Carson
10. Pray Every Day - Buck Owens & His Buckaroos
11. Were You There When They Crucified My Lord - Johnny Cash & The Carter Family
12. Let's All Go Down To The River - George Jones & Tammy Wynette
13. A Voice From On High - Bill Monroe & His Blue Grass Boys
14. When Jesus Calls - Ernest Tubb
15. Will The Circle Be Unbroken - The Nitty Gritty Dirt Band
16. Precious Memories - Merle Haggard & The Carter Fammily
17. Jesus Gave Me Water - Doyle Lawson & Quicksilver
18. Talk About Suffering - Ricky Skaggs & Tony Rice

"Jubilation! Great Gospel Performances" というシリーズの第3集。Vol.1 のサブ・タイトルが "Black Gospel",Vol.2 が "More Black Gospel" なので,その流れから言えば,"White Gospel" となりそうなものだが,"Country Gospel" と付けられている。
そもそも,音楽としての Gospel を辞書で引くと,「黒人の宗教音楽」とか 'usually performed by black American singers' などと説明してあるので,Black Gospel という表現自体,おかしいと言えばおかしいのだが・・・。

この CD のライナーによると,
White country gospel came out of Appalachian folk music, which in turn can be traced even further back to Great Britain - England, Ireland and Scotland.

Appalachian folk music と言えば,Absolutely Free の,以下のような記事が気になるところだが,・・・。
Jean Ritchie
Appalachian Breakdown
Etta Baker / One-Dime Blues

かなり多忙らしいので無理は言えないが,早期復帰を心待ちにしております。>南部スレ1 さん。
Nashville や Muscle Shoals が,そのアパラチア山脈南端のふもとにかなり近いようなのは,何か関係がある・・・?


この CD では,Hank Williams を筆頭に,カントリーのビッグ・ネームがずらりと顔をそろえているが,白人の間では Pop と Gospel の垣根は低かったのだろうか?
Sam Cooke の場合は,ゴスペルからポップに転向するとき最初わざわざ変名を使ったり,ポップに転向したあとゴスペルを歌う際に一部で抵抗があったりしたようだが,Country Music のシンガーがゴスペルを歌うことについては,どこからも文句が出なかったのだろうか?
また,一度ゴスペルを歌ったシンガーが再びポップなカントリーを歌うとき,反対はなかったのだろうか?


Johnny Cash の場合,初めに Sun に売り込みに行ったのはゴスペル・シンガーとしてであり,Sun から Columbia に移ったのは Sam Phillips がゴスペルを歌わせてくれなかったことも一因であるという話が残っているけれども,Sam Phillips はゴスペルが嫌いだった・・・?
2006年11月8日 22時05分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
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2006年11月07日(火)
Nashville's Got The Beat!
Various Artists "Nashville's Got The Beat!: 60s Soul from Rogana Productions" [R.O.A.D. RDBL-44]

↓Tiny Watkins
1. Give Me My Flowers 2. Love Flows Like A River 3. Spell Bound
↓Rodge Martin
4. Lovin' Machine 5. When She Touches Me 6. Close My Eyes
↓Earl Gaines
7. Trust In Me 8. It's Worth Anything 9. The Best Of Luck To You
↓Sam Baker
10. Do Right Man 11. Blues Are Killin' Me
↓Lucille Mathis
12. I'm Not You Regular Woman 13. I Don't Want To Go Through Life
↓Eddie James
14. All I Have To Offer You Is Me
↓Dee Brown
15. Bad Habit 16. Heap Of People 17. Love Love Love
↓Art Grayson
18. Be Ever Mine 19. My Heartache 20. When I Get Home

アルバム・タイトルのうち The Beat は,DVD 化された TV Show "The !!! Beat" との ダブル・ミーニング。
サブ・タイトルの Rogana というプロダクションは,Hoss Allen が自分のレーベル(Hermitage)以外にも楽曲を提供できるようにつくったもの。
この記事を書く準備をしていて,↓のような CD を発見したので,注文済み。
◎ V.A. "The Best of Hermitage Records" [Night Train NTI CD 7044]

当時(1965年頃) Hoss Allen は,Nashville で Starday/King のレコーディング・スタジオの一角にオフィスを間借りしており,毎週末にはそこで Johnny Jones and The Imperial Seven (Billy Cox, Freeman Brown, Harrison Calloway, Aaron Varnell, Larry Lee, Skippy Brooks, Ray Valentine など) をスタジオ・バンドとしてレコーディング・セッションを行っていたが,その後 Muscle Shoals や New Orleans にまで出かけて録音するようになったらしい。

この CD の収録曲のうち,DVD で実演(?)を見ることができるのは,4. 5. 9. 10. の4曲のみだが,それらを含めて,Rodge Martin は8曲,Earl Gaines は4曲,Art Grayson は2曲を,"The !!! Beat" に出演して歌っている。(*印が,この CD に収録されている曲)


Rodge Martin
[SHOW 12]
6.* When She Touches Me 10. Respect 11. Out Of Sight
[SHOW 13]
2. They Say
[SHOW 20]
3.* Lovin' Machine 10. Wasted Nights 11. Talkin' 'Bout Soul
[SHOW 22]
8. That's How Strong My Love Is

Hoss Allen は,この Rodge Martin をマネージメントしただけでなく,ほとんどの曲のプロデュースもしたそうで,この CD に収録してある3曲はすべて Muscle Shoals で録音したと,ライナーには書かれている。
Mighty Sam のバージョンもある "When She Touches Me" は口パクでごまかしていたが,"Lovin' Machine" のほうはナマ歌ナマ演奏!
Rodge Martin の,頭の血管がブチ切れそうな激唱は素晴らしいし,おそらく Roger Hawkins たちによると思われるスタジオ・バージョンと聴き比べると,そのパフォーマンスの技術力の差は歴然としている。
しかし,歌や演奏というものは,そのテクニックのみによって評価されるべきではなく,もったりとした Roger Hawkins のドラムは,そのもたつきが (この数年後には) 重厚なタメに感じられるときもあれば,ヌケのよい Freeman Brown のドラムは,軽快すぎて (時々,たま〜に) 薄っぺらく感じてしまうところもある。
Roger Hawkins たちの演奏もなかなか健闘している・・・と言ってもいいのではないか?

初めのころは,Nashville からミュージシャンも連れて Fame Studios に出かけていた Hoss Allen だが,現地の若い連中もなかなか使えそうだということで,やがて,おそらく安上がりであったはずの Roger Hawkins たちを使って録音するようになったというのが,最もありそうな話だと思うが・・・?
後に,Freeman Brown たちが Fame Gang として活躍するのは,Roger Hawkins たちに逃げられて困っていた Rick Hall が,「アルバムを1枚作らせてやるから・・・」という甘い話をエサに,彼らを Muscle Shoals に呼び寄せたのではないか?
その Fame Gang の LP "Solid Gold from Muscle Shoals" は,Gritz さんに紹介してもらった除外リストには含まれていなかったのだけれども,きちんとリイシューされるだろうか? あれが CD 化されて一般的になることによって,Fame Gang が正当に評価されるようになると思うが・・・。

Rodge Martin は,この直後1967年に心臓発作を起こし,27(?) 歳という若さで亡くなるが,DVD の映像を見ていると20代であの体型ではそれもしかたがないかも・・・と,納得してしまう (^_^;)


Earl Gaines
[SHOW 20]
6.* The Best Of Luck To You 7. Turn On Your Lovelight
[SHOW 22]
10. Hold On I'm Coming - with Jimmy Church
[SHOW 23]
10. It's Love Baby (24 Hours A Day)

"The !!! Beat" にしては珍しく,すべて生歌生演奏。おそらく Nashville でナイトクラブに出演するときにはこのバンドのメンバーがそのまま伴奏を担当していて,リハーサルの必要もなくナマで収録するほうが楽だった・・・?
CD に収録されている3曲は,Earl Gaines の最初の LP にも入っていた曲で,Hanna-Barbara からリリースされたそのアルバムも CD 化されている。
● Earl Gaines "24 Hours A Day" [Black Magic 9037]
↑の 10.〜 20. がその LP (HBR 9508) で,1.〜 9. は Ted Jarrett がプロデュースして Champion からリリースされた作品集。もちろん全部 Nashville 録音。
LP で伴奏を務めているのは Johnny Jones and The Imperial Seven のメンバーで,コーラスは Frank Howard and The Commanders。
Johnny Jones は Jimi Hendrix の師匠として有名だが,Jeff Beck もかなり影響を受けているのではないかと思われ,↑の CD の 20. Mercy On My Soul あたりは,第1期 Jeff Beck Group のサウンドにかなり近い・・・?


Art Grayson
[SHOW 4]
6.* When I Get Home
[SHOW 8]
4. I Got Soul

この Art Grayson は,Earl Gaines と同時期に HBR からシングルを発表するが,こちらのほうはヒットせず,The !!! Beat の初期に Johnny Jones の代役を務めたあと,Nashville のナイトクラブ・シーンにもどって,そのまま埋もれてしまったらしい。


その他のシンガーは,The !!! Beat に出演していないが,Tiny Watkins と Lucille Mathis は,Excello からシングルが発売され,"The Heart of Southern Soul" のシリーズに数曲ずつ収録されている。
この二人も,一部は Muscle Shoals 録音。

Sam Baker と Eddie James は,どちらも Nashville 録音だけらしい。Sam Baker は CD "The Best of Hermitage Records" に6曲も収録されているようで,楽しみ。

残る Dee Brown は時代が少し下って,1971年に Nashville の Creative Workshop で録音されていて,それが Hoss Allen の last major R&B production だった。
2006年11月7日 23時45分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2006年11月02日(木)
The Original Five Blind Boys
The Original Five Blind Boys Of Mississippi "The Original Five Blind Boys" [Vee Jay/P-Vine PCD-4324]

1. I Never Heard A Man 2. Jesus Loves Me 3. I'm A Soldier 4. I'm A Rolling 5. My Robe Will Fit Me 6. Oh Why 7. Let's Have Church 8. I'm Willing To Run 9. You Don't Know 10. Where There's A Will 11. Waiting At The River 12. Don't Forget The Bridge 13. All Over Me 14. No Need To Cry
15. Leave You In The Hands Of The Lord
16. Jesus Loves Me (Alt) 17. My Robe Will Fit Me (Alt)

この Five Blind Boys Of Mississippi とゴスペル・サーキットでバトルを繰り広げたことのある Sam Cooke は,後年,彼らのアルバムを聴きながら涙を流し,"He(=Archie Brownlee) is the only one who could do that -- to move me like that." と,言っていたらしい。
Soul Stirrers で Sam Cooke の同僚であり友人でもあった S.R. Crain にいたっては,この Archie Brownlee について,"Ray Charles mocks him a little. That's all he could do: mock him. He can't sing like him." と語っている。

この CD は,そんな Archie Brownlee がリード・シンガーを務めていた The Original Five Blind Boys of Mississippi の Vee Jay 時代の作品集。
同じような内容のアルバムは何度も CD 化されているけれども,今年発売された紙ジャケ仕様のアルバムは,24bit リマスタリングということで,格段に音が良くなっている。

最初に CD 化されたのは,おそらく1992年の ↓ だったと思うが,
◎ The Original Five Blind Boys Of Mississippi "The Great Lost Blind Boys Album" [Vee Jay NVG2-601]
そのライナーノート(Curtis Abrams) の最後の一節が,↓。
Like the rest of us, Archie had his share of faults, one being that he loved vodka or gin. "Oil", as it's called in gospel circles, was his major problem, and thus, in 1959, at a very young age, Archie died at a hospital in New Orleans. His legend and the music of THE FIVE BLIND BOYS will live forever.
これを読んで,泣いた。
こんなに素晴らしい声で人を感動させる歌を歌うことのできる Archie Brownlee 師のような人間でも,酒を愛し酒に溺れて体を壊してしまうことがあるのだ・・・ like the rest of us ・・・(T_T)


この Vee Jay 時代の作品集の中でも,特に傑作として定評のある "Leave You In The Hands Of The Lord"。
その,深い信仰心に裏打ちされた崇高なまでに美しい歌を,"Leave You In The Arms Of Your Other Man" という俗世の垢にまみれたバチ当たりな内容に変えて歌っているのは,このグループの2代目リードであった Roscoe Robinson。
◎ Various Artists "Sanctified Soul" [KENT CDKEND 180]
23. Leave You In The Arms (Of Your Other Man)

その Roscoe Robinson が書いた "Somewhere There's A God" というゴスペル曲の God を Girl に言い換えただけで,自分の名前をクレジットに追加し,その上前をはねようとした,ワンランク上のバチ当たりが,Sam Cooke。
◎ Various Artists "Sam Cooke's SAR Records Story (Disc 1)" [SAR/abkco 2231-2]
30. Somewhere There's A God - The Womack Brothers
◎ Various Artists "Sam Cooke's SAR Records Story (Disc 2)" [SAR/abkco 2231-2]
3. Somewhere There's A Girl - Sam Cooke
さすがに後ろめたかったのか ↑ で CD 化されるまでは,未発表だった。

まあ結局のところ,そんな Sam Cooke が大好きな自分のような人間が,いちばんバチ当たり・・・(^_^;)
2006年11月2日 21時36分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
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