ニックネーム:Mr.Pitiful
タイトルの "R 'n' S & B" は "ROCK 'n' SOUL & BLUES"。 "+ c" は, 最近聴き始めた Country Music 。
2006年11月07日(火)
Nashville's Got The Beat!
Various Artists "Nashville's Got The Beat!: 60s Soul from Rogana Productions" [R.O.A.D. RDBL-44]

↓Tiny Watkins
1. Give Me My Flowers 2. Love Flows Like A River 3. Spell Bound
↓Rodge Martin
4. Lovin' Machine 5. When She Touches Me 6. Close My Eyes
↓Earl Gaines
7. Trust In Me 8. It's Worth Anything 9. The Best Of Luck To You
↓Sam Baker
10. Do Right Man 11. Blues Are Killin' Me
↓Lucille Mathis
12. I'm Not You Regular Woman 13. I Don't Want To Go Through Life
↓Eddie James
14. All I Have To Offer You Is Me
↓Dee Brown
15. Bad Habit 16. Heap Of People 17. Love Love Love
↓Art Grayson
18. Be Ever Mine 19. My Heartache 20. When I Get Home

アルバム・タイトルのうち The Beat は,DVD 化された TV Show "The !!! Beat" との ダブル・ミーニング。
サブ・タイトルの Rogana というプロダクションは,Hoss Allen が自分のレーベル(Hermitage)以外にも楽曲を提供できるようにつくったもの。
この記事を書く準備をしていて,↓のような CD を発見したので,注文済み。
◎ V.A. "The Best of Hermitage Records" [Night Train NTI CD 7044]

当時(1965年頃) Hoss Allen は,Nashville で Starday/King のレコーディング・スタジオの一角にオフィスを間借りしており,毎週末にはそこで Johnny Jones and The Imperial Seven (Billy Cox, Freeman Brown, Harrison Calloway, Aaron Varnell, Larry Lee, Skippy Brooks, Ray Valentine など) をスタジオ・バンドとしてレコーディング・セッションを行っていたが,その後 Muscle Shoals や New Orleans にまで出かけて録音するようになったらしい。

この CD の収録曲のうち,DVD で実演(?)を見ることができるのは,4. 5. 9. 10. の4曲のみだが,それらを含めて,Rodge Martin は8曲,Earl Gaines は4曲,Art Grayson は2曲を,"The !!! Beat" に出演して歌っている。(*印が,この CD に収録されている曲)


Rodge Martin
[SHOW 12]
6.* When She Touches Me 10. Respect 11. Out Of Sight
[SHOW 13]
2. They Say
[SHOW 20]
3.* Lovin' Machine 10. Wasted Nights 11. Talkin' 'Bout Soul
[SHOW 22]
8. That's How Strong My Love Is

Hoss Allen は,この Rodge Martin をマネージメントしただけでなく,ほとんどの曲のプロデュースもしたそうで,この CD に収録してある3曲はすべて Muscle Shoals で録音したと,ライナーには書かれている。
Mighty Sam のバージョンもある "When She Touches Me" は口パクでごまかしていたが,"Lovin' Machine" のほうはナマ歌ナマ演奏!
Rodge Martin の,頭の血管がブチ切れそうな激唱は素晴らしいし,おそらく Roger Hawkins たちによると思われるスタジオ・バージョンと聴き比べると,そのパフォーマンスの技術力の差は歴然としている。
しかし,歌や演奏というものは,そのテクニックのみによって評価されるべきではなく,もったりとした Roger Hawkins のドラムは,そのもたつきが (この数年後には) 重厚なタメに感じられるときもあれば,ヌケのよい Freeman Brown のドラムは,軽快すぎて (時々,たま〜に) 薄っぺらく感じてしまうところもある。
Roger Hawkins たちの演奏もなかなか健闘している・・・と言ってもいいのではないか?

初めのころは,Nashville からミュージシャンも連れて Fame Studios に出かけていた Hoss Allen だが,現地の若い連中もなかなか使えそうだということで,やがて,おそらく安上がりであったはずの Roger Hawkins たちを使って録音するようになったというのが,最もありそうな話だと思うが・・・?
後に,Freeman Brown たちが Fame Gang として活躍するのは,Roger Hawkins たちに逃げられて困っていた Rick Hall が,「アルバムを1枚作らせてやるから・・・」という甘い話をエサに,彼らを Muscle Shoals に呼び寄せたのではないか?
その Fame Gang の LP "Solid Gold from Muscle Shoals" は,Gritz さんに紹介してもらった除外リストには含まれていなかったのだけれども,きちんとリイシューされるだろうか? あれが CD 化されて一般的になることによって,Fame Gang が正当に評価されるようになると思うが・・・。

Rodge Martin は,この直後1967年に心臓発作を起こし,27(?) 歳という若さで亡くなるが,DVD の映像を見ていると20代であの体型ではそれもしかたがないかも・・・と,納得してしまう (^_^;)


Earl Gaines
[SHOW 20]
6.* The Best Of Luck To You 7. Turn On Your Lovelight
[SHOW 22]
10. Hold On I'm Coming - with Jimmy Church
[SHOW 23]
10. It's Love Baby (24 Hours A Day)

"The !!! Beat" にしては珍しく,すべて生歌生演奏。おそらく Nashville でナイトクラブに出演するときにはこのバンドのメンバーがそのまま伴奏を担当していて,リハーサルの必要もなくナマで収録するほうが楽だった・・・?
CD に収録されている3曲は,Earl Gaines の最初の LP にも入っていた曲で,Hanna-Barbara からリリースされたそのアルバムも CD 化されている。
● Earl Gaines "24 Hours A Day" [Black Magic 9037]
↑の 10.〜 20. がその LP (HBR 9508) で,1.〜 9. は Ted Jarrett がプロデュースして Champion からリリースされた作品集。もちろん全部 Nashville 録音。
LP で伴奏を務めているのは Johnny Jones and The Imperial Seven のメンバーで,コーラスは Frank Howard and The Commanders。
Johnny Jones は Jimi Hendrix の師匠として有名だが,Jeff Beck もかなり影響を受けているのではないかと思われ,↑の CD の 20. Mercy On My Soul あたりは,第1期 Jeff Beck Group のサウンドにかなり近い・・・?


Art Grayson
[SHOW 4]
6.* When I Get Home
[SHOW 8]
4. I Got Soul

この Art Grayson は,Earl Gaines と同時期に HBR からシングルを発表するが,こちらのほうはヒットせず,The !!! Beat の初期に Johnny Jones の代役を務めたあと,Nashville のナイトクラブ・シーンにもどって,そのまま埋もれてしまったらしい。


その他のシンガーは,The !!! Beat に出演していないが,Tiny Watkins と Lucille Mathis は,Excello からシングルが発売され,"The Heart of Southern Soul" のシリーズに数曲ずつ収録されている。
この二人も,一部は Muscle Shoals 録音。

Sam Baker と Eddie James は,どちらも Nashville 録音だけらしい。Sam Baker は CD "The Best of Hermitage Records" に6曲も収録されているようで,楽しみ。

残る Dee Brown は時代が少し下って,1971年に Nashville の Creative Workshop で録音されていて,それが Hoss Allen の last major R&B production だった。
2006年11月7日 23時45分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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