ニックネーム:Mr.Pitiful
タイトルの "R 'n' S & B" は "ROCK 'n' SOUL & BLUES"。 "+ c" は, 最近聴き始めた Country Music 。
2011年02月20日(日)
DVD "T.A.M.I. Show"
Various Artists "T.A.M.I. Show: Teenage Awards Music International" [Shout!/Universal ]

1. Jan And Dean
 SHOW OPEN: (Here They Come) / From All Over The World
2. Chuck Berry
 Johnny B. Goode / Maybellene
3. Gerry And The Pacemakers
 Maybellene / Don't Let The Sun Catch You Crying / It's Gonna Be Alright
4. Chuck Berry
 Sweet Little Sixteen
5.* Gerry And The Pacemakers
 How Do You Do It?
6.* Chuck Berry
 Nadine (Is It You?)
7.* Gerry And The Pacemakers
 I Like It
8. Smokey Robinson And The Miracles
 That's What Love Is Made Of / You've Really Got A Hold On Me / Mickey's Monkey
9. Marvin Gaye
 Stubborn Kind Of Fellow / Pride And Joy / Can I Get A Witness / Hitch Hike
10. Lesley Gore
 Maybe I Know / You Don't Own Me / You Didn't Look Around* / Hey Now* / It's My Party / Judy's Turn To Cry
11. Jan And Dean
 The Little Old Lady (From Pasadena) / Sidewalk Surfin'
12.* The Beach Boys
 Surfin’U.S.A. / I Get Around / Surfer Girl / Dance, Dance, Dance
13.* Billy J.Kramer And The Dakotas
 Little Children / Bad To Me / I'll Keep You Satisfied / From A Window
14. The Supremes
 When The Lovelight Starts / Shining Through His Eyes / Run, Run, Run / Baby Love / Where Did Our Love Go
15.* The Barbarians
 Hey Little Bird
16. James Brown And The Flames
 Out Of Sight / Prisoner Of Love / Please, Please, Please* / Night Train*
17. The Rolling Stones
 Around And Around / Off The Hook / Time Is On My Side / It's All Over Now / I'm All Right
18. ALL PERFORMERS SHOW CLOSE:
 Let's Get Together

タワレコの店頭に平積みしてあり,もちろん問題なく再生できた。
* 印が,VHS "THAT WAS ROCK - The TAMI-TNT Show" には収録されていなかったパフォーマンス。

DVD の Bonus Features として Commentary が副音声で追加されているが英語字幕がなく,そこそこ読めてもお粗末なリスニング能力しかないため・・・(T_T)
ただし,20ページもあるブックレットの解説(Don Waller) を読むと,いろいろ面白いことがわかる。
ストーンズや The Flames など,自分で楽器を演奏しているグループ以外のシンガーを伴奏しているのは,"Wrecking Crew" と呼ばれていた凄腕のセッション・ミュージシャンたち。ステージ上のセットでピアノを弾いている短髪でスーツ姿の男性は Leon Russell らしいが・・・?
そのミュージシャンたちの演奏をアレンジし指揮していたのが Jack Nitzsche。The Supremes を紹介する場面で,ヘッドセットをつけカウントを出しているサングラスの人物が彼で,レコーディング・エンジニアの Dave Hassinger を連れて来たのも彼だったそうだ。Dave Hassinger は,当時 RCA のスタジオで Sam Cooke や Rolling Stones の録音を担当していたエンジニア。

このショー全体のハイライトは,やはり 'Please, Please, Please','Night Train' が追加収録された James Brown。歌唱力だけに限っていえば,レーベル・メイトの Little Willie John の足元にも及ばないけれども,ダンスやショーの構成・演出,バンド・リーダー,サウンド・クリエーター,パフォーマーとしての James Brown が,この "T.A.M.I. Show" 全体の出演者の中でも群を抜いていることは,認めざるを得ない。
躍動する生身の肉体を最大限に活用した,この JB のパフォーマンスに比べると,マイケル・ジャクソンあたりのステージは,タネも仕掛けもあるガキの遊び,オママゴト・・・(^_^;)
JB のバックで演奏している The Flames が生み出すビートも恐ろしいまでにタイト。ただし,あまりにもタイト過ぎて,個人的にはちょっと付いていけない。・・・次に登場するストーンズくらいのルーズさがちょうどよい・・・(^_^;)
一応弁解しておくと,ストーンズ自身はちゃんと身の程をわきまえていて JB より前の出演を希望したが,プロデューサの Bill Sargent がストーンズをどうしてもトリにしたかったのだそうだ。

JB の出演順に不満を感じるソウル・ファンは多いだろうが,Chuck Berry の扱いに比べればまだマシ・・・(^_^;)
全盛期を過ぎているとはいえ,DVD に追加収録された 'Nadine' が当時,Hot 100 で23位というそこそこのヒットを記録しているのに,完全に前座扱いなのは,ひどい・・・(T_T)
たしかに Gerry And The Pacemakers の 'Don't Let The Sun Catch You Crying'(Hot 100: 4),'How Do You Do It'(Hot 100: 9) の方がヒットしていたようだが・・・。

Motown 勢の中では The Miracles のみ自前のリズム・セクションで,Marvin Gaye や The Supremes のバックは,Wrecking Crew。もうこの頃には Motown はかなりの部分を Los Angeles で録音していたのだろうか?
Marvin Gaye のコーラスを担当しているのは The Blossoms で,中央が Darlene Love
『マーヴィン・ゲイ物語 "引き裂かれたソウル"』デイヴィッド・リッツ著(P-Vine BOOKS 刊) によると,当時 Berry Gordy は Marvin Gaye に Sam Cooke を演じさせたかったそうだ。「彼(Berry Gordy) は,僕の主演でサム・クック・ストーリーをやりたがった。サムが死んだ1964年のことだった。僕はベリーにそのアイデアはぞっとすると言った。考えただけで身の毛もよだつ。そんな役をやるのはまっぴらごめんだ。ソウル・シンガーが撃たれて死ぬなんて考えただけで,震えがとまらなくなるよ。」(pp.188-9)
同書の中には,次のような記述もあるのだが・・・
「彼のデビュー作はゲイが正式に名前のスペルに『e』を付けた初めてのアルバムだ。父親との距離感を持とうとする彼は,このたった一文字がある種のクラス(品格) を醸しだすものと見ていた。『サム・クックがまったく同じことをやっていたことを知っていた。サムはうまくいったんだから,僕もうまくいくだろう?』」(p.77)
JB のために影が薄くなってしまったが,The Miracles のダンス・パフォーマンスもなかなかのもの。
Lesley Gore 'Judy's Turn To Cry' が前半の終了にあたり,それまでの出演者が全てステージに登場するのだが,Smokey Robinson は,Chuck Berry がふざけているのを横目で見て苦笑いしていたような・・・?

The Beach Boys では,そういう先入観で見るからかもしれないが,Brian Wilson の表情が不気味・・・。マイクなどのセッティングが,その他のロック・グループに比べ,こじんまりと一箇所にまとめられているのは,なぜ ?

Diana Ross のヘア・スタイルは,いったいどうなっているのか ?
まるで,火星人・・・(^_^;)

ストーンズでは,やはり Brian Jones が元気で,とんがっている姿を見ることが出来るのがうれしい。それに比べるとキースは,ちょっぴりがに股の立ち姿や垢抜けない表情が,田舎者丸出し・・・(^_^;)
James Brown And The Flames の圧倒的なパフォーマンスの後であるにもかかわらず,たいして緊張せずマイペースで演奏している姿はなかなか健気で,「しっかりやれ!」と声をかけたくなってくる。

2011年2月20日 19時46分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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